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第一三共

減収減益見通しでも株価が堅調な理由

2007年3月6日(火)

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 第一三共の株価が、4000円をうかがう水準まできている。2005年9月に第一製薬と三共が経営統合して武田薬品工業に次ぐ2番手の製薬会社として誕生した第一三共株は当初2000円台だったが、おおむね右肩上がりで上昇し、1年半で約2倍の水準となっている。

 2007年3月期の連結の業績見通しは、売上高が前年比0.1%減の9250億円、経常利益は前年比4.8%減の1520億円と減収減益だ。にもかかわらず、株価は堅調さを保っている。そこからは、統合前とくらべて、資本市場の評価が変わってきたことがうかがえる。

 統合前には新薬の開発に失敗し続けていた第一製薬との縁組を疑問視する声が多く、当初目標に挙げていた2010年3月期に2550億円の営業利益達成も難しいと見られていた。だが今年2月に統合後初めて発表した中期経営計画に対する評価は以前とは違った。

 新たな計画では、2010年3月期の業績目標を連結売上高が9600億円、連結営業利益を2400億円とし、当初より営業利益は下方修正した。だが「業績の数値目標は現実的で達成可能」(野村証券金融経済研究所企業調査部の漆原良一主任研究員)と、計画を好意的に受け止める見方が優勢だ。

 目標の数値は決して低いものではない。2007年3月期の業績予想から、売却する非医薬品事業などの業績を外した数字に比べて、連結売上高で22.3%増、連結営業利益で2倍の成長を目指す。それにもかかわらず、楽観的な見通しが多いのは、統合後に第一三共の経営状況が好転したからにほかならない。

主力薬の特許切れ克服にメド

 まず、主力薬の特許切れという製薬会社の宿命を克服できるメドが立ってきた。世界最大の医薬品市場である米国で薬の特許が切れると、同じ成分の後発医薬品(ジェネリック医薬品)がすぐに出回り、売り上げが激減する。武田薬品工業(4502)、アステラス製薬(4503)、エーザイ(4523)といった海外売り上げ比率の高い国内大手はいずれも、主力薬の特許が2010年前後に米国で失効する。

 第一三共も例外ではない。3つの主力薬のうち、高脂血症治療剤の「メバロチン」は昨年4月に米国で特許が切れ、抗菌剤の「クラビット」も2010年に米国で特許が失効する。しかし幸いなことに、2002年に米国から販売し始めた血圧降下剤の「オルメテック」の売り上げが伸長。既にメバロチンの売り上げ減少を補い始めている。

 さらに、心筋梗塞などの治療に使われ、ピークの売り上げが2000億円とも目される抗血小板剤の「プラスグレル」が、欧米で臨床試験の最終段階である第3相に入っている。この大型新薬の候補を発売できれば、クラビットの特許切れの影響を吸収して売り上げを伸ばせる。

 ほかの大手に先がけて主力薬の特許切れを乗り切る道筋が見えたことに加えて、経営統合後のリストラが着実に進んでいることも好感されている。食品や化学品などの事業を営む子会社を次々と売却して、非医薬品事業の整理をほぼ完了。希望退職者の募集にも1412人が応募し、今は持ち株会社の下で独立して存続する第一製薬と三共が完全統合する今年4月に向けた人員削減の目標もクリアした。

 もっとも、これで第一三共のリストラが終了したわけではない。2007年3月期の予想で連結売上高の84.7%に上る製品原価と販売管理費の比率を、2010年3月期に75%まで引き下げる。それによって、売上高営業利益率を2007年3月期の見込みの15.3%から2010年3月期に25%まで引き上げるとする。

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「第一三共」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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