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統一地方選は“地方”を変えるか?

地方議員と地方議会の再生なくしてニッポンの未来なし

  • 佐々木信夫

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2007年3月8日(木)

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 統一地方選が4月に迫っている。“平成大合併”の影響などで統一率こそ30%と低いが、それでも知事選から市町村議選まで全国で1135の選挙がある。これを参院選の前哨戦と位置づける見方もあるが、地方選挙は身近な政策やカネの使い方を議論する選挙であって、決して国政選挙の前哨戦ではない。

国からの委任事務から解放され、地方議会は大転機を迎える

 特に注目したいのが地方議会の選挙だ。わが国には都道府県で約3000人、区市町村で約4万人の地方議員がいるが今回改選を迎える議員も多い。

 2000年の分権改革で日本の地方議会は権限が飛躍的に拡大した。それまでの自治体は、あたかも国の下部機関のように、自治体業務の7~8割を国からの委任事務の執行に費やしてきた。大臣の部下に首長が位置づけられ、国の業務が執行委任されるという機関委任事務制度が存在したからだ。実は、地方議会は委任事務に関する審議権も条例制定権も予算の減額修正権も持たなかった。多くの議員を要しながら、地方議会は「脇役」の存在に過ぎなかった。

 だが、分権改革でこの制度は全廃された。自治体のすべての業務に審議権と条例制定権が与えられ、すべてが予算審議の対象になった。不要な仕事はなくすことができるし、予算を減額修正することも可能だ。まさに地方議会は地方政治の「主役」に躍り出たのである。

 法改正によって、年4回に限られていた定例会の回数制限もなくなった。年間70日程度しか開かれなかったこれまでの地方議会を「通年議会」とすることも可能だ。これから地方議会をどう変えるのか、地方から日本の政治を変える試金石となる。

 議会は民意を鏡のように映す住民参加の広場である。本来、住民にとっての拠り所は執行機関ではなく、議決機関の議会であるはずだが、どうも現実は違う。様々なルートを通じて住民との対話を深めているのは首長の方だ。残念ながら、議会が組織的に住民との対話を進めているという話はほとんど聞かない。制度的に期待されている役割と実際の運営にこれだけ大きなギャップがある機関も珍しい。

“片手間仕事”ならべらぼうに高い地方議員の報酬

 そうした現状もあってか、「議員報酬が高い」という批判がくすぶり続けている。高いか安いかは働きぶりによる。必要な条例をどんどん提出し、予算を減額修正し、政策の総点検を怠らないというのなら、高いとは言えないだろう。しかし、自営業などの“本職”に精を出し、議員活動は片手間という仕事ぶりなら法外に高い。

 地方議員は、兼職も認められた非常勤の特別職公務員である。彼らには給与ではなく、報酬が毎月支払われる。一般に報酬とは、非常勤職員に対しその役務(サービス)の対価として支払われるもので、常勤職員(一般公務員や首長)の給与とは区別される。

 通常、報酬は勤務日数に応じて支払われるのが原則で、日割り支給が一般的だ。しかし、地方自治法に議員報酬の支払いについて明文規定がないこともあって、ほとんどの自治体は条例で月給制と定めている。元々、生活給の考え方を取っていないのに、報酬額は勤務日数と関わりなく月額で支払われ、常勤職の国会議員同様、期末手当(ボーナス)も支給され、毎月政務調査費も出る。

 しかし実際の活動を見ると、市町村議員は年間平均約70日の登院日数しかなく、都道府県議員でも100日程度だ。本会議、委員会が開かれる時のみ登院するのである。こうした働きに対する平均月額報酬は、町村議会議員の場合で約22万円、市議会議員は約44万円、都道府県議員の場合は約85万円である(グラフを参照)。市議会議員は市の課長並み、都道府県議員は県庁の部長クラスの待遇である。

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