「日経情報ストラテジー発ニュース」

息を吹き返した「ザ・サントリーオールド」

顧客ターゲティングの明確化で提携戦略を促進

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2007年3月16日(金)

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 団塊世代が20代の頃に、高額だがあこがれた「サントリーオールド」が息を吹き返している。

 同製品の販売数は1980年の1240万ケース(1ケース=12本)を頂点に、2005年は51万ケースまで落ち込んだ。だが団塊世代の大量退職が始まる2007年を目前に復活。味とデザインを2006年3月7日にリニューアルして数々の宣伝施策を打ったことが奏功し、2006年6月に12年ぶりに前年同月比がプラスに転じ、以降、引き続きプラスの状態が続いている。
 
 1950年に発売されたサントリーオールドの復活の要因は、団塊世代に的を絞ったマーケティング活動にある。団塊世代のウイスキーへの嗜好を今までと違うやり方で丹念に調査してから、味わいを変更。また、商品名を「The SUNTORY OLD」に変えてボトルに優雅な書体で記すなどして、現代的な高級イメージを訴求した。さらに、団塊世代の間で「もう一度オールドを飲んでみよう」という口コミが広がる仕掛け作りに奔走した。

 サントリーオールドのブランドマネジャーに起用されたのは、酒類カンパニー洋酒事業部企画部に所属する、まだ20代半ばの高田めぐみ氏。「両親が団塊世代なのでターゲット層の気持ちをくみ取りやすい」と上司が判断した。「焼酎などの台頭でウイスキー市場は縮小傾向にあります。だからオールドの巻き返しで、小売店の店長さんやバイヤーさんが『自信を回復した』と言ってくれたのがうれしい」と微笑む。

味わいを消費者視点で抜本的に見直し

図版

「サントリーオールド」のブランドマネジャーに任命された高田めぐみ氏。サントリーの酒類カンパニー洋酒事業部企画部に所属する

 高田氏がブランドマネジャーに任命されたきっかけは、2005年夏に洋酒事業部主催で実施した新商品開発のための“異例”の試飲会にある。世代別に6人ずつの消費者グループを数十組集め、6種類のウイスキーの原酒を飲んでもらったのだ。「この試みはサントリーでは初めて。ブレンドしないとそれぞれの原酒のくせが強すぎるからです」(高田氏)。それだけウイスキー市場のてこ入れには抜本的な改革が必要だと感じていた。

 この時、団塊世代を集めたグループから「この原酒はオールドっぽいね」という意見が出た。しかもその原酒の支持率は、団塊世代が一番高かった。シェリー樽原酒である。シェリー樽原酒の比率を高めた新しいサントリーオールドを作れば売れるのではないか――。こうして新オールドの開発プロジェクトがスタートし、高田氏がブランドマネジャーに任命されたのである。

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著者プロフィール

杉山 泰一(すぎやま・やすかず)

1994年日経BP社入社。「日経コミュニケーション」で通信分野の国内外の取材を担当した後、2004年4月から「日経情報ストラテジー」に所属。経営管理や業務改善、社内の士気向上など、企業を強くするためのノウハウや事例の取材を担当する。99年から2000年にかけて、米国カリフォルニア州立大学大学院にてマスコミュニケーションを専攻。2009年11月から日経BP社電子新聞開発部次長。

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