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ワタミ

「2008年1000店」撤回も、株価は高水準

2007年3月16日(金)

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 ワタミは2007年3月期の連結業績予想で、当期利益を当初の15億4800万円から14億2500万円へ下方修正した。理由は、外食事業の不振だ。当期利益17億8700万円を見込んでいたのが、修正予想では10億8000万円と6割程度にとどまる。居酒屋チェーン「和民」などの既存店売上高が前年同期比95%程度という厳しい状態が続いていた。「介護ビジネスを軌道に乗せるために、外食がおろそかになってしまった」。渡邉美樹社長は、こう反省の弁を述べる。

拡大に人材が追いつかず

 外食事業が落ち込んだ原因は、急速な出店戦略に伴う人材不足だ。2007年2月現在で611店舗ある。渡邉社長は「2008年に1000店舗」を目標として掲げ、まだ店舗数の少ない地方を狙って、年間80~100店舗を積極的に出してきた。

 経験を積んだ店長は新店の立ち上げに回し、既存店は店長代理などに任せることになる。この結果、店舗のマネジメントが行き届かなくなり、店舗の接客レベルが低下した。ワタミが実施した調査では、2004年は69.8%だった顧客満足度が、2006年は67.2%となっている。現場では、5カ月ぐらいで店長が代わることが常態化していた。

 そこで、店長は1年半は異動せずに、同じ店舗でマネジメントする体制にした。代わりに、出店は年間20~30店舗とペースを落とし、「2008年に1000店舗」の旗は下ろす。当面は既存店売上高で前年同期比100%を確保することを目指す。

 今年に入って、回復の兆候が出てきた。1月は同100.1%、2月は同98.0%となっている。イベリコ豚の脂を使った餃子や、汁で味つけした寄せ豆腐など、従来よりも100円高いが質にこだわって客単価を上げる施策も功を奏している。昨年秋以降、業績の悪化に加えて飲酒運転問題もあって、1700円前後だった株価は、一時期1450円前後まで下落した。ここに来て、再び1700円まで持ち直している。

介護の成長は織り込み済み

 前期の1株当たり当期利益が24.25円に対し、今期の予想は34.46円と伸びるなど収益力は堅調に推移しているものの、外食事業が今後、急成長することは考えづらい。にもかかわらず、ワタミの連結予想PER(株価収益率)は50倍を超えており、外食平均の20倍を大きく上回る。これは、ワタミの第2の柱である介護事業への期待を示している。

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「ワタミ」の著者

戸田 顕司

戸田 顕司(とだ・けんじ)

食ビジネス シニアリサーチャー

「日経パソコン」「日経ビジネス」の記者、「日経ビジネス」兼「日経ビジネスオンライン」「日経トップリーダー」の副編集長、「日経レストラン」編集長などを務め、2016年3月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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