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“偽装鑑定”にバブルの芽

公示地価上昇の裏で「サクラ」横行

2007年3月20日(火)

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 「『サクラ鑑定』という言葉をご存じですか」

 不動産ファンドの取材をしていた記者に、ある不動産鑑定士が唐突に問いかけてきた。年は還暦を過ぎた頃か。大手銀行、債権回収会社などで幾多の不動産評価の経験を積み、現在は大手不動産鑑定会社に身を置いている。

 鑑定士は、過熱する不動産価格の先行きを憂いていた。割安と言われる日本の不動産物件を目がけ、世界中の資金が集まり出したのが数年前。以来、投資額は増加の一途をたどり、金融庁によれば国内外の不動産ファンドが保有する不動産残高は15兆円に近い規模に達したと言われる。

2006年後半から資金流入に拍車

 その資金の受け皿として中心的な役割を果たすREIT(不動産投資信託)も急騰を続けている。年初から最高値をつけた2月26日までの東京証券取引所のREIT指数の上昇率は25%と、東証株価指数(TOPIX)の3倍以上。東証に上場するREIT全銘柄を足した時価総額も6兆円を突破した。

 間もなく発表になる公示地価でも、大都市圏では価格上昇が有力視されており、さらなる資金の呼び水となることは間違いない。

猫も杓子もREITへ

 ところが、活況を呈する業界とは裏腹に、鑑定士の顔は冴えない。「不動産に流れ込む資金量があまりにも異常で、不動産業界のあちこちに変調を来している」(鑑定士)。

 その一端が「サクラ鑑定」の増加なのだという。

 サクラ鑑定とは、土地評価の依頼主が10程度の物件をまとめて不動産鑑定会社に依頼し、見積もりを取ってもらう行為。鑑定会社はそれぞれ独自の基準をもって査定するため、不動産評価額にはばらつきが出る。依頼主は見積もりを複数の鑑定会社から取り、最も評価を高くつけた会社に鑑定を依頼する。

 悪質な場合、あらかじめ希望した評価額を“追認”するように迫る依頼者もいるという。過熱気味のREITの背後で、「残念ながら『地価のかさ上げ』とも言える取引が目立ってきた」と先の鑑定士は言う。

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「“偽装鑑定”にバブルの芽」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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