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竹中平蔵と松原聡が地方を斬る(後編)

既にイニシアティブは地方に移った、もう甘えは許されない

  • 水野 博泰

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2007年3月20日(火)

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前編から続く)

松原 一連の構造改革の中で「特区」というのが出てきましたよね。僕は最初は反対だったんです。発展途上国がやる輸出特区みたいなイメージがあって抵抗感があったんです。国ができなかった改革を自治体に手を挙げさせてやらせるということにも抵抗感がありました。

 ただ、よく見ていると、今までとは決定的に違う発想の転換がありました。今までの日本の地方自治に対する国の関与の仕方というのは、一種の平等主義で、全く同じ条件でやらせる。そういう発想でした。構造改革特区は、手を挙げた所だけに特例を認めますよと。今までの一律主義から、自治体間競争や自治体間の差があっていいと発想を大転換させたんですね。

 例えば、濁り酒を作りたいと手を挙げた自治体には観光客が集まって、やらなかった所はそれを指をくわえて見ている。そういう状況が発生してもいいんだと。新しいことをやっていく自治体が伸びていく。

 竹中先生がおっしゃったように、日本では土地に対する執着が強かった。だけど、そんなことが言っていられなくなる時代が来た時に人はどこに移動していくのか。やはり活力がある所なんですよね。負ける所は負けてしまう。構造改革特区はそういう流れを作ったんだと思います。

構造改革特区で自治体の発想力と行動力が問われる

竹中 私は構造改革特区をやろうということを、最初の森内閣の時に言ったんです。これはもう各省の反対で、けんもほろろに葬られました。小泉内閣で閣僚になって閣内で言っても、皆、反対です。その時、小泉総理が「おもしろいな。やるか」と言った。そうしたら、皆、「あ、私もやりたいです」と(笑)。これが政治なんです。

 1つ重要なポイントは、構造改革特区に手を挙げられるのは、自治体だけではないということです。実は企業も提案できるんです。個人も提案できるんです。企業が「うちの近くだけ特区にしてくれ」というのでも構わないんです。自治体という単位に縛られていないのです。

 いろいろな可能性があるのですから、自治体にとってはチャンスです。思う存分、力を発揮していただきたい。世界を見渡してみると、外国にあるのに日本にはないものっていくつもあります。

 例えば、日本にはアスペン(米コロラド州)のようなコンベンションシティーがないんですよね。会議場はもちろんですが、それだけではダメで、家族を連れて来ても楽しめるように、スパウズプログラム、キッズプログラムが用意されている。2週間でも3週間でも家族全員で楽しく過ごせる仕組みになっている。そういうコンベンションシティーが日本にはないじゃないですか。

 もう1つは、トランジットモールを持った町ですね。トランジットモールというのは、簡単に言えば歩いて暮らせる町です。トラムが走っていて、こぎれいな商店が並んでいる。お年寄りが増えると、そういう町が求められるはずなんだけれど、日本にはないですね。米国にはリタイアした人たちを集めて発展した町があるわけですよ。フロリダ州は有名です。サンディエゴ(カリフォルニア州)もそうです。軍港と大学の町だったのですが、気候がよくて暮らしやすいのでどんどん人が集まってきて、気がつくとロサアンゼルスに次ぐカルフォルニア州第2の都市になっていた。サンフランシスコより人口が多いんですよ。

 日本にもそういう可能性を持った自治体はたくさんあると思います。自立が求められる厳しい時代ですが、それは同時に新しいチャンスでもあるのです。

松原 自治体のアイデアに加えて、それを支える民間の力がなければいけませんね。企業でもNPO(非営利組織)でもいいんです。アイデアを上手に実現するシステムを作ることが必要です。

 選挙の時にも、現職の首長さんが出る時に「自分はどれだけ特区を出してどれだけ認められた」とアピールすればいい。そういう意味では、長野県の田中康夫前知事は頑張っていた。長野の構造改革特区の提案数って全国で突出しているんですよ。逆に言えば、現職はそういうところが実績として問われる。新人は「特区のアイデアをこれだけ持っている」と訴えればいいんです。

竹中 キーワードはやはり「アントレプレナーシップ」なんですね。

松原 手を挙げた方が勝ちなんですよ。「特区はお得」なんて言葉がありますが、本当にその通りなんです。

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