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日興問題、上場維持で一件落着にならず

繰り返す収益至上主義の悪弊をどう断ち切る

  • 谷川 博

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2007年3月20日(火)

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 「ライブドア事件と日興コーディアルグループ(8603)の不正会計問題とはどこが違うのか。株式市場を熟知している日興の方がもっと悪質ではないのか」

 3月16日、証券取引法違反に問われたライブドア前社長の堀江貴文に対して東京地方裁判所は懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡した。その直後、同社のニッポン放送株買い占めの“影の参謀”と目された人物はこう言い放った。

 「日興問題に対する東京証券取引所の判断(日興の上場維持)と比べると、東京地裁の判決には割り切れないものがある」

15年間に3度の大事件を起こす企業の問題とは

 司法の判断と証券取引所の決定を同列に扱えないが、両社とも利益の水増しをして虚偽の会計報告をして投資家を欺いた事実に変わりはない。にもかかわらず、ライブドアは約1年前に上場廃止になり、首謀者は刑事被告人になったが、日興コーディアルは上場を維持し、関係者も刑事被告人になっていない。

 もともと今回の不適切な会計処理は、上場廃止になるような代物ではなかったという見方はある。この問題で金融庁傘下の証券取引等監視委員会が動いたのは、行政処分を課すための課徴金・開示検査課。上場廃止に発展する可能性があるものなら、刑事告発も視野に入れて動く特別調査課が担当すると、事情に詳しい関係者は解説する。

 それが上場廃止の可能性まで叫ばれる事態にまで発展したのは、日興が当初、この問題を「社員1人のミス」として済まそうとしたため。反省の素振りすら見せないこの態度が金融庁の逆鱗に触れ、大問題になったというのだ。

 最終的には、既定路線の上場維持で落ち着き、日興コーディアルもトップの退任、関係者への損害賠償請求という形で、みそぎをすませた格好だ。しかし、これで事件を引き起こした病巣が、全て取り除かれたとは言い難い。

 これまでも日興は、世間を騒がす不祥事を度々起こしている。1991年の損失補填問題を巡る証券スキャンダル、97年の総会屋への利益供与事件、そして今回の不正会計問題。15年ほどの間に、事件で3度もトップが退任している。

 不祥事で社長が代わる度に、日興は「事件再発防止」を宣言してきた。だが、世間のホトボリが冷めると、また過ちを犯す。その元凶はどこにあるのか。

「中山天皇」が作り出した収益至上主義

 ある日興OBは「不祥事を繰り返す根底には、貪欲な収益至上主義が影響している」と指摘する。今回の不正会計問題でも、日興が真相を究明するために設置した特別調査委員会(外部識者で構成)は、不正の舞台となった子会社で、収益を上げれば莫大な報酬を受け取れる「行き過ぎた成果主義」が事件の背景にあったのではとしている。

 同委員会の調査では、問題の関与者6人は(経常利益に連動する)年次賞与として総額で3億4100万円、1人あたり最低3000万円から最高で1億2000万円を得たことを明らかにした。これらは報酬の1部に過ぎず、関係者はほかにも収入がある。

 働きに応じて報酬を厚くすること事態に問題はないが、日興の場合は「業績を上げるためには、何をしても許されるのだ」という収益至上主義の風土をはびこらせていた。「(収益至上主義は)今に始まったことではなく、昔から会社の底流に脈打っていた。その起源は、中山好三時代にまでさかのぼる」と前出の日興OBは語る。

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