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吉野家 安部修仁社長が語る「逆境の経営学」

革新と革新のための挑戦の先にあるもの

2007年3月27日(火)

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(写真:村田 和聡)

 「少子化、人口減でも成長は可能」。吉野家ディー・アンド・シー社長の安部修仁氏(右写真)は、よどみなく語る。1980年の倒産からの再建、そして2年半に及ぶ牛丼の販売休止と2度の地獄から復活してきただけに、今後日本企業に襲いかかる逆境も心配する素振りはない。

 昨年9月から段階的に進めてきた牛丼販売の再開は、今年3月には昼食時限定から深夜0時まで延長と、順調に回復を進めている。安部社長はこれからの吉野家の経営を持ち株会社化によるグループ経営の強化と、逆境の克服から攻めへと軸足を移す。

 「外からの攻撃で組織は崩れない」「オリジナリティーは、そのものよりも、そこに至る挑戦と革新が重要」。2度の危機を克服して磨いた安部社長の経営哲学を、日経ビジネスでは8回にわたり連載、その後、大幅に加筆して書籍『吉野家 安部修仁 逆境の経営学』(2007年3月刊)にまとめた。出版を記念して、都内のホテルで開催した安部社長の講演のハイライトをお届けする。

(日経ビジネス 戸田 顕司)

外からの攻撃で組織は崩れない

 メンタリティーの部分、観念の部分――。かつて1980年の倒産の後の再建なんかもそうでした。だいたい壊れる時、あるいはダメになる時というのは、古今東西すべてそうでしょうけれど、すべて内側からの崩壊によって死滅に至る。このことは、例外なくそうであろうと思います。

 外部からの攻撃とか外圧、外側からのエネルギーとか圧力は、内側が結束のエネルギーを高めるための触媒にはなっても、それで壊れるようなことは本当はない。外側からの攻撃や圧力が作用して、結果的に内側が壊れることはあるかもしれない。けれども、その場合に内側が崩れるのは、外側からの圧力に「方策がない」「据えるべき課題がない」「課題の共有がない」という時です。

 その時の当事者は、他人によってダメにされたというふうな被害妄想に陥るかもしれない。それは1つの作用にすぎないわけです。状況を踏まえて、「我々は何をしなければいけないか」ということさえ、きちんとしていれば、稚拙であっても真っ当に活動していれば、ダメな政策はダメな結果が出てくるから、その時に迅速に修正すればいい。そのことの連続で、間違いなくクリアできると思っております。

どんな環境でも、自らを成長させる道はある

 外食業界も少子化、人口減、単純に見る限りはマイナスのリスク要素ばかりです。しかし、多分これまでもそうであったように、今後もそうは言ったって、分野分野で伸びてくるところ、その中で急速成長するところ、上に取って代わるところ、という動きや転換が必ず起こってくるわけです。

 したがって、それぞれのところが、環境をきちんと把握して近未来の変化を察知しながら正しく適応していくかぎり、間違いなく、どういう環境、状況であっても、その中から自らを成長させていくことは可能です。このことは、分野、環境、時代を問わないと思います。

着想だけでオリジナリティーは作れない

 オリジナリティーというのは大変大事にする価値です。オリジナリティーには、そこへ至るための挑戦と革新というのが不可欠なんです。

コメント8件コメント/レビュー

私は吉野家の味が好きでした。でも、もう二度と食べることはないでしょう。消費者の安全より、企業の利益を優先させる会社であることがわかったからです。あなた達のやるべきことは、危険な牛をできるだけ早く輸入再開させることではなく、他の安全な肉を使って、今の味を再現する努力をすることです。アメリカ牛でないと再現できないなどと言って、危険なアメリカ牛を輸入再開するように政府に訴えることではありません。危険な牛骨粉を豚や鶏に使用しその危険な豚鶏骨粉を牛に使用していいような国、月齢を歯で管理しているような国(歯の判定なんて誤差は何ヶ月もでます)、輸入再開後すぐに危険部位を混入させるような国、そんな国からの牛が安全であるわけがありません。しかし、食肉業界は利益の優先のみを考えました。そして、日本政府はアメリカからの脅しに屈しました。その論理はこうです、「自分たちが食べているのだから日本人も食べろ」。自分たちの国では禁止になった血液製剤を、日本に在庫一掃セールをやるような国からです。アメリカにもまともな食肉会社はあります、そういう会社は日本が全頭検査を望むならもうその準備はできていました。しかし、馬鹿な双方の食肉業界と双方の政府が、全てをだめにしてしまいました。狂牛病は潜伏期間が長いです、ゆえにしばらくは表面に現れないでしょう、でも、十年後二十年後に必ず犠牲者はでるでしょう。それを行ったのはあなたたちのような企業利益優先主義の人たちです。それを忘れずに経営を行って下さい。(2007/03/29)

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「吉野家 安部修仁社長が語る「逆境の経営学」」の著者

戸田 顕司

戸田 顕司(とだ・けんじ)

ビジネスメディア編集部長

「日経ビジネス」兼「日経ビジネスオンライン」「日経トップリーダー」の副編集長、「日経レストラン」編集長、日経トップリーダー事業開発部長などを務め、2017年4月より現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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私は吉野家の味が好きでした。でも、もう二度と食べることはないでしょう。消費者の安全より、企業の利益を優先させる会社であることがわかったからです。あなた達のやるべきことは、危険な牛をできるだけ早く輸入再開させることではなく、他の安全な肉を使って、今の味を再現する努力をすることです。アメリカ牛でないと再現できないなどと言って、危険なアメリカ牛を輸入再開するように政府に訴えることではありません。危険な牛骨粉を豚や鶏に使用しその危険な豚鶏骨粉を牛に使用していいような国、月齢を歯で管理しているような国(歯の判定なんて誤差は何ヶ月もでます)、輸入再開後すぐに危険部位を混入させるような国、そんな国からの牛が安全であるわけがありません。しかし、食肉業界は利益の優先のみを考えました。そして、日本政府はアメリカからの脅しに屈しました。その論理はこうです、「自分たちが食べているのだから日本人も食べろ」。自分たちの国では禁止になった血液製剤を、日本に在庫一掃セールをやるような国からです。アメリカにもまともな食肉会社はあります、そういう会社は日本が全頭検査を望むならもうその準備はできていました。しかし、馬鹿な双方の食肉業界と双方の政府が、全てをだめにしてしまいました。狂牛病は潜伏期間が長いです、ゆえにしばらくは表面に現れないでしょう、でも、十年後二十年後に必ず犠牲者はでるでしょう。それを行ったのはあなたたちのような企業利益優先主義の人たちです。それを忘れずに経営を行って下さい。(2007/03/29)

下の方の吉野屋を利用しないという意見に賛同。崇高な理念を語るのは結構だが、狂牛病問題が発生したときアメリカに頼り切った政治力で乗り切ろうとした吉野屋の姿勢には非常に不快感を持った。結果、今現在でもアメリカから輸入された牛肉には輸入を認めていない部位が混在している。既に新鮮味を失ったために報道はされていないが、事実はこの有様だ。そんな肉を「安全だ」と称して吉野屋は客に食べさせているのだ。このような経営を続ける限り、どんなにご大層な理念を述べられても自分は吉野屋には入らないだろう。(2007/03/27)

日経ビジネス誌上で折につけインタビュー記事を興味深く読んでいた吉野家の安部さん。今回始めて肉声を耳にし、経験に裏打ちされたその経営哲学に触れましたが、なるほど信念と気骨と行動のリーダーだなというのが実感。講演の筋は一貫しており、言葉に大袈裟すぎない気迫と説得力があり、また論旨にブレがない。多くの企業人を引き付け、また誰より彼の下に結集して働く吉野家の社員と従業員たちのリスペクトとリライアンスを獲得する所以でしょう。ただ一点惜しむらくは抽象的な話であるだけに、長い話になると恐らく聴く側にはダレが出てくる。例えを織り交ぜつつ話を展開されれば尚且つ良いのではないかと思います。(2007/03/27)

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