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「特効」が招いた薬漬け大国

国、製薬会社、医師が「タミフルブーム」を演出

2007年4月3日(火)

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 2月に相次いだ中学生の転落死をきっかけに、世間の注目を集めているインフルエンザ治療薬「タミフル」服用者の異常行動。タミフルの服用との因果関係を頑なに認めず、批判を浴びてきた厚生労働省は3月下旬になって、対応を急変させた。

従来見解を撤回した厚労省

短期間で急変した厚労省の対応

 まず3月21日の深夜零時に急遽、記者会見を開き、10代の患者に対してタミフルの使用を中止することを発表した。同省は2月末に「少なくとも2日間は未成年の患者を1人にしないこと」を保護者に求める警告を出していた。ところが3月19日、12歳の男児がタミフルを服用後、警告に従って傍についていた親を振り切り、2階ベランダから飛び降りて骨折する事故が発生。この件を重く受け止めて、使用中止に踏み切った格好だ。

 ただし、同省はタミフルと異常行動との因果関係について「否定的」との従来の見解を変えず、使用中止の対象を10代の患者に限定する理由も明確に示さなかった。このため、同省に対する不信感は解消されるどころか、一層深まることになった。

 そのせいか、同省の対応は3月22日、さらに急展開を見せる。辻哲夫事務次官が定例会見で「因果関係の有無を虚心に検討する。これまでの『否定的』という判断は変わりうる」と話し、従来の見解を撤回したのだ。

 ところが、3月26日に同省の専門家会議がまとめた新型インフルエンザの対策指針の最終案には、感染拡大を防ぐために、タミフルを治療だけでなく予防の目的でも投与することを盛り込んだ。従来の見解を翻して表面を取り繕っても、「新型インフルエンザの特効薬」としてタミフルの備蓄を推進したい厚労省の本音が垣間見える。

「隣が処方するならウチも」

 一連の騒動の中、タミフル服用者の異常行動が日本に集中していることが明らかになった。米食品医薬品局(FDA)が調査した異常行動の報告例は、米国5人、ドイツ2人などに対し、日本は95人と突出している。この背景には、世界で販売されているタミフルの約7割が日本で消費されているという事情がある。

 これほどのタミフル消費大国に日本がなったのはなぜか。まず多くの識者が指摘するのが、国民皆保険制度の存在である。

 「海外では高価な薬も、日本では医療保険が適用されて薬代が安く済む。負担が軽いので、患者もすぐに病院の診察を受ける」。製薬業界に詳しい慶応義塾大学大学院経営管理研究科の中村洋教授はこう言う。

 確かに保険制度の違いが日本におけるタミフルの大量消費に一役買っているのは間違いなさそうだ。しかし、保険が適用されるのはほかの医療用医薬品も同じ。タミフルの使用量が突出して多いことの根拠としては不十分だろう。

コメント42件コメント/レビュー

タミフルには 発熱症状を数日早く和らげる薬効しかない上に全てのインフルエンザに効く訳でも無いので、インフルエンザの特効薬というにはあまりに頼りない。しかも、ウィルスを撃退するための発熱を無理に押さえ込む事は 弊害も有ると指摘する向きも多い。タミフルというと副作用の話にすぐなってしまうが、そもそもタミフル自体に崇め奉る様な薬効など無いという事を知るべきではないでしょうか。インフルエンザや流感は 発熱による抗体反応で体力が低下しないように安静にするのが基本だと思います。(2007/04/11)

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「「特効」が招いた薬漬け大国」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

タミフルには 発熱症状を数日早く和らげる薬効しかない上に全てのインフルエンザに効く訳でも無いので、インフルエンザの特効薬というにはあまりに頼りない。しかも、ウィルスを撃退するための発熱を無理に押さえ込む事は 弊害も有ると指摘する向きも多い。タミフルというと副作用の話にすぐなってしまうが、そもそもタミフル自体に崇め奉る様な薬効など無いという事を知るべきではないでしょうか。インフルエンザや流感は 発熱による抗体反応で体力が低下しないように安静にするのが基本だと思います。(2007/04/11)

 日経ともあろうものが、こんな偏向報道をしてよいのであろうか。発売されれば特効薬ともちあげ、何かあれば揚げ足取りの魔女狩りをする。 もう少し、事実を科学的に客観評価して中立的に報道すべきである。(2007/04/10)

暖かくなってきて、インフルエンザの恐ろしさの感覚が薄れてきた性も加味されているんでしょうが、最近のマスコミの論調では、国のタミフル備蓄の計画にまで白眼視するようになって来て、さらには、単なる風邪とインフルエンザを、意識的にか無知からか、同一視することで、「インフルエンザに特効薬は不要」だと言い出す馬鹿な論調を張る経済関係の評論家まで出て来てしまいました。以下 http://blog.livedoor.jp/gonzaemon2007/?blog_id=2134931(2007/04/10)

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