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慎重な日立の陰に「NEC」

米SOX法で相次ぐ決算発表遅れ

  • 中原 敬太

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2007年4月4日(水)

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 「やれるものなら、早くやりたいですよ」。決算期末を控えた3月下旬、日立製作所で決算を担当する財務一部の西山光秋担当部長はこぼした。

同じ米国上場企業でも決算発表は様々

 日立は昨年まで4月下旬だった決算発表日を2007年3月期は5月中旬に延期する。今回から米国市場に上場する日本企業にも米企業改革法(SOX法)が適用され、内部統制に関する作業が大幅に増えるためだ。2004年から準備を進め、昨年も運用テストを繰り返してきたが、「財務諸表を作成する過程だけは、実際に決算を締めてみないと分からない部分が多い」(西山部長)という。

 現在、日本企業で米国に上場しているのは28社。このうち3月期決算は26社だ。三菱UFJフィナンシャル・グループやミレアホールディングスなど金融機関は日本の会計基準で決算発表し、米国基準は米証券取引委員会(SEC)への提出期限である9月末までに別途作成する。

 トヨタ自動車やNTTの決算発表は米国基準だが、発表時期は以前から5月の連休明け。つまり米SOX法の適用で決算発表が遅れる可能性があるのは電機メーカーなど4月に決算を発表してきた企業だ。

 松下電器産業や京セラなどは従来通り4月下旬の発表を予定しているのに対し、日立、ソニー、TDKは5月中旬への延期を明らかにしている。彼らが遅らせなければならない理由は一体どこにあるのか。

収益が複雑なシステム取引

 大手監査法人でこれらの米国上場企業を監査している現役会計士は3つのポイントを指摘する。

  1. 子会社の数が多い、または子会社が収益に与える影響が大きい
  2. 収益認識が複雑なビジネスをやっている
  3. 決算期末に集中する取引がある

 日立は少なくとも12は当てはまりそうだ。1については日立が900社もの子会社を持つことは有名な話。このうち海外が半数を占める。「タイでは花祭りだ、米では復活祭だといって作業がなかなか進まない」というのは西山部長の弁だ。

 日立で最も影響が大きいのは2だという。事業領域が広い日立の中でも、IT(情報技術)システムや重電システムといった事業は収益認識が複雑。顧客にハードを売り、そこにはソフトも組み込み、そのシステムの運用や保守メンテナンスも子会社が担うことも少なくない。これらは本体と子会社で行っており、内部統制の確認作業に時間がかかるという。会計士は「松下のようにAV(音響・映像)機器を作って一般消費者に売るビジネスとは確認作業のレベルが異なる」と指摘する。

 こうしたシステム関連取引に日立が慎重になるのは、NECが置かれた立場を自分の身に置き換えているのかもしれない。NECは2006年3月期の決算について、監査を担当する会計事務所、アーンスト・アンド・ヤングからIT関連の保守メンテナンス事業のコスト計算について追加資料の提出を求められており、SECに年次報告書を提出できずにいる。2007年3月期から国内向けは日本基準に変更したが、2006年3月期分を4月2日までにSECに提出できなければ、上場する米ナスダック市場から追い出される可能性もある。

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