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サッポロHDが導入した買収防衛策は有効か

事前警告型は「抜けない刀」

  • 谷川 博

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2007年4月3日(火)

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 「事前警告型の買収防衛策は、企業にとって“お守り”に過ぎない」――。M&A(企業の合併・買収)に詳しい、ある弁護士はこう断言する。

 敵対的な買収を仕掛けたライブドア騒動をきっかけとして、M&Aの防止策を導入する企業が増えた。米系投資ファンド、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドから出資比率の引き上げを通告されたサッポロホールディングス(サッポロHD)(2501)もその1社。

 サッポロHD株の約18%を保有するスティールは、今年2月に出資比率を66.6%に引き上げると発表、それに対してサッポロHDは3月末の定時株主総会で「事前警告型」と呼ばれる買収防衛策を導入することを提案。その結果、行使された議決権の3分の2を超える賛成票を得て買収防衛策は可決された。

 この買収防衛策では、サッポロHDは買収時のルールや手続きなどを定めて、買収元のスティールが応じない場合には、「敵対的」と見なして新株予約権を発行し、スティールの出資比率が66.6%に達するのを困難にする。

 こうしたサッポロHDのような事前警告型の買収防衛策は、多くの企業が今年の定時株主総会で導入を諮ると見られている。しかし、法律専門家の間ではその効果を疑問視する向きが多い。冒頭の弁護士は、「実効性という点では、はっきり言って、ほとんど意味がない」とも言う。

新株予約権の発行は法廷で差し止められる可能性が高い

 そもそも新株予約権とは、あらかじめ決められた価格で株主が企業から株式を取得できる権利のことをいう。事前警告型の買収防衛策には、企業が買収元を除く既存株主にこの権利を付与(新株予約権を発行)することによって、買収元の持ち分を低下させて、その経営権取得を困難にする狙いがある。

 だが、買収元が敵対的とはいえ、こうした一部の株主の権利を侵害する行為が司法の場で認められるかどうかは別問題だ。買収元が対象企業の新株予約権の発行差し止めを求めて提訴した場合、裁判所がその要求を聞き入れて、発行差し止めの判断を下す可能性は極めて高いという。現実的に新株予約権発行が困難である以上、それを盛り込んだ買収防衛策自体の効能も低いというわけだ。

 ただし、この弁護士も事前警告型の買収防衛策が買収元に対する一種の“脅し”になり得ることは認めている。裁判は“水物”であるため、買収元が法廷で敗れる可能性はゼロではない。万一そうした事態になれば、買収元の被る損害は甚大となる。ゆえに、買収元もそう簡単には裁判に踏み切れないと見られる。

 この点からすれば、企業にとって事前警告型の買収防衛策の導入にも多少の意味はある。しかし、「しょせんは“抜かずの刀”。いざ抜いてみたら、全く切れなかったということになりかねない」と、先の弁護士は指摘する。

新TOBルール下では事前警告型防衛策の意味はない

 また、事前警告型の買収防衛策の効能はともかく、それを導入すること自体が意味をなさなくなったという見方もある。M&Aに詳しい別の弁護士によれば、「2006年12月に証券取引法施行令を改正してTOB(株式公開買い付け)のルールを変更したことにより、事前警告型の買収防衛策の意味はなくなった」と見る。

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