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武田薬品工業

好決算を目前に控えて株価が下がる理由

2007年4月12日(木)

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 製薬最大手の武田薬品工業の株価が伸び悩んでいる。自社株買いを中心とする株主還元策などが好感され、同社株は2月27日に一時、8400円の上場来最高値をつけた。しかし、同日から始まった世界同時株安の影響を受けて、その後は急落。回復の足取りは重く、8000円を割り込んだ状態が続いている。

 業績が悪いわけではない。むしろ逆に好調だ。武田の2007年3月期の業績予想は、連結売上高が1兆3000億円と16期連続で過去最高を更新する見通しだ。連結経常利益も5400億円と2期連続で過去最高となる。同期の売上高経常利益率の予想は41.5%。アステラス製薬(4503)の20.2%、エーザイ(4523)の16.6%、第一三共(4568)の16.4%を大きく引き離す。同期の予想EPS(1株当たり当期純利益、QUICKコンセンサスベース)も348.6円と、エーザイの236.0円、アステラスの211.0円、第一三共の96.6円に比べて突出している。

ディフェンシブ銘柄の効果も長くは続かず

 製薬大手の中でも抜群の好決算を控えているにもかかわらず、武田の株価が冴えない原因は何か。まず指摘されるのは、株式市場が全般的に低調である点だろう。

 だが、業績が景気動向に左右されにくい製薬会社株は、株価が全般的に下落する局面で買い注文が集まりやすい「ディフェンシブ銘柄」の代表格。世界同時株安の最中の3月6日には、日経平均株価を構成する225銘柄のうち唯一小幅ながら上昇するなど、ディフェンシブ銘柄らしさを発揮した。しかし、その効果も長続きはせず、3月27日以降は8000円の壁を超えられないでいる。

 大和総研企業調査第二部の宮内久美シニアアナリストはその理由を次のように分析する。「昨年、製薬会社株はTOPIX(東証株価指数)に採用されている33業種の中で4番目の上昇率を示した。その結果、製薬会社の株価は全般的に高く、高値を警戒して売却する動きが出ている」。

 もっとも、武田の2007年3月期の予想PER(株価収益率、QUICKコンセンサスベース)は22.6倍と、第一三共の38.4倍、アステラスの25.2倍、エーザイの24.9倍のいずれも下回る。武田株に著しい割高感がある状況ではない。

今年は株価を押し上げる材料がない

 クレディ・スイス証券株式調査部の酒井文義ディレクターは「武田株を積極的に買い進める材料がない」と指摘する。

 武田のように海外の売り上げ比率が高い製薬大手の株価を左右するのは、実は目先の業績よりも主力薬の特許切れというリスクへの対応。製薬大手4社はいずれも、主力薬の特許が2010年前後に米国で失効する。米国で特許が切れると、シェアの約8割を同じ成分の後発医薬品(ジェネリック医薬品)に奪われ、売り上げが激減する。この影響を吸収して売り上げを伸ばす新薬の開発や発売の動向が、株価の動きに大きな影響を及ぼす。

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「武田薬品工業」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長