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人口減ニッポン~2030年からの警告(1)

「退職」という言葉が死語になる日

2007年4月12日(木)

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 日本は「人口減少の世紀」を迎えた。総人口のピークは2004年だった。政府の予測より2年も早く到来した人口減少社会。

 2006年は景気上昇による雇用情勢の好転も手伝って、若者層の結婚件数が増え、一本調子の減少傾向にもいくぶん歯止めがかかった。だが、それでもこれから数十年間は減少トレンドを変えようがない。

 日本は西暦2050年に8000万人台、2100年には4000万人台の小国に成り下がってしまうことが、半ば運命づけられている。冗談のような話だが、今の少子化傾向がずっと続くと仮定すると、日本の総人口は西暦3400年にはゼロになると推計されている。

 人口減少が及ぼす経済や社会への影響は、計り知れないほど大きい。ただ幸いなことに、これから10年程度は人口減少のペースはまだ緩やかだ。その間に経済、財政や税制、年金や医療など人口に大きく左右される日本のシステムをリフォームしなければならない。同時に、底なしの様相を呈する出生率の低下になるべく早く歯止めをかけるべく、政策総動員をかけることが不可欠だ。二正面作戦で立ち向かわなければ、とても歯が立たない。

 その作戦では高齢化のピークである2030年が1つの目標になる。戦後生まれの「団塊の世代」が80歳を超え、その子供の世代に当たる団塊ジュニアの1期生が60歳に差しかかるという「難所」の年なのだ。それまで、あと20年強。2030年が「今」を生きる私たちに発する警告を解き明かしていこう。

50歳以上の米国人3800万人が加入するお化け団体が一大方向転換

 ビル・ノベリ氏という米国人を知る人は日本にほとんどいないだろう。65歳、眼鏡の奥に優しい瞳がのぞく初老の男性である。米国のNGO(非政府組織)であるAARPの最高経営責任者(CEO)である。

 ペンシルベニア大学を卒業後、石鹸やシャンプーなどで有名なユニリーバを経て、平和部隊の広報責任者などを務めた。その後、自ら広告代理店を設立し、「20世紀の最も影響力のある広報専門家100人」に列せられたこともある。1990年以降は仕事の舞台を公的な領域に移し、タバコの広告から子供を守る運動に携わった後、2000年にAARPに入った。

 AARPとはどんな組織か。ひと言で表すと、50歳以上の米国人なら誰でも会員になれるNGOだ。現会員数は3800万人。米国の総人口の実に13%、50歳以上人口の半数弱が入会している、お化けのような組織である。

 AARPはもともと「米国退職者協会」(American Association of Retired Persons)の頭文字だった。半世紀前、エセル・パーシー・アンドラスという高校の校長だった女性が創設。年金や医療保険など社会保障制度が恵まれていなかった当時の退職教師の互助会的な組織として活動を始めたようだ。

 しかし、ノベリ氏は「いまや、われわれは退職者協会とは決して名乗らない。あくまでも“AARP”である」と言う。そのココロは?

「アーリーリタイアメント」から「新創造」へ労働観が変化

 実は、3800万会員のうち半数強が何らかの仕事に就いている。「retire(引退、退職)」という語は実態を表していないのだ。しかも50歳になれば会員になれるので、必ずしも「高齢者」の集まりでもない。会員の特典は買い物をする時に様々な割引が受けられることだ。その対象は自動車、国内・海外旅行、豪華船クルーズなど幅広い。会員向けに人気歌手を呼んで華やかなコンサートを開くこともある。ゆくゆくは国際的な会員カード網を広げていきたいと、ノベリ氏は考えている。

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