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自動車、逆ピラミッド時代

部品大手マグナ、クライスラー買収に意欲

  • 鷺森 弘,江村 英哲

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2007年4月16日(月)

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 「興味を示している複数の候補と話し合いを進めている」。4月4日、ドイツのベルリンで開かれたダイムラークライスラーの株主総会。ディーター・ツェッチェ社長は公の場で初めて、北米クライスラー部門の分離・売却に向けた交渉を進めている事実を認めた。

株主総会に臨むダイムラークライスラーのツェッチェ社長

株主総会に臨むダイムラークライスラーのツェッチェ社長

 交渉相手については明言を避けたが、巨額の資金を持つ米サーベラスと米ブラックストーンの投資ファンド2社が有力候補の一角に名を連ねている。5日には昨夏に米ゼネラル・モーターズ(GM)の大株主としてGMと日産自動車・仏ルノー連合との提携を画策した米投資家カーク・カーコリアン氏が率いるトラシンダも名乗りを上げた。カーコリアン氏は1995年にもクライスラー買収案をぶち上げた経緯があり、今回は2度目の挑戦だ。

 4月中に交渉相手を1社に絞り込むとされるクライスラーの売却問題はここにきて混戦の度合いを強めているが、もう1社、異色の候補がいる。カナダに本社を置く自動車部品大手、マグナ・インターナショナルだ。

日本ではほとんど無名

 その名は日本ではほとんど知られていない。日本メーカー向けの売上高比率は4%台。拡販を狙って2005年からトヨタ自動車(7203)やホンダ(7267)など日本車大手に対し、個別に技術展示会を開催したが、「調達担当者ですら半数が当社のことをあまり知らなかった」(日本法人の三原聖一社長)。

 しかし、世界全体に目を転じるとマグナの存在感は一気に高まる。

10年で5倍に売り上げ規模が拡大

 主な顧客はGM、米フォード・モーター、ダイムラークライスラー、独BMW、独フォルクスワーゲンで、2006年の連結売上高は242億ドル(約2兆9000億円)。積極的に買収を仕掛けて、過去10年間で売り上げは約5倍に増え、世界の生産拠点も23カ国、229カ所に拡大した。自動車部品業界では独ボッシュ、デンソー(6902)に次ぐ世界3位の規模だ。生産品目はシートからエンジンまで多岐にわたり、グループ全体の部材を集めれば、「車1台が完成する」(三原社長)とも言われる。

 クライスラー売却先の候補のうち、事業会社であるのはマグナ1社だけ。一時はGMも名乗りを上げたが、自社が経営再建中であることや資金面などの条件が整わないことから早々に脱落した。その他の完成車メーカーも敬遠するクライスラー買収に、なぜ部品メーカーが乗り出すのか。

経営危機の80年代に恩義

 「創業者の恩返し」――。ある業界関係者は今回のマグナの動きをこう解説する。

 マグナはオーストリア出身のフランク・ストローナック会長が1957年、20歳過ぎの若さで創業した。小さな部品プレス会社として発足したマグナはその後、順調に業容を拡大したが、80年代後半に業績が急速に悪化し、経営危機に瀕した。金融機関からの借り入れもままならなかった当時、部品の大量発注でマグナを救ったのがクライスラーだったのだ。

 競馬場などの運営も手がけるストローナック会長はマグナの日常業務には口を出さず、年に1~2回の大方針をグループに伝えるだけという。ただ、その発言力は絶大で、ストローナック会長がクライスラー救済で過去の恩義に報いようとしている可能性は十分にある。

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