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グローバル時代に聞く“民族クラシック”

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンのテーマの背景

  • 東 壮一

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2007年4月27日(金)

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 今年で3年目を迎えるラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(「熱狂の日」音楽祭)。今年のテーマは「民族のハーモニー」。国民楽派と呼ばれる15カ国58人の作曲家の作品を演奏する。

 チャイコフスキー、ドヴォルザーク、ドビュッシー、バルトーク、ヤナーチェク――。彼らはモーツァルトやベートーヴェン程には有名ではないかもしれないが、一度は耳にしたことのある作曲家だろう。チャイコフスキーらの音楽はなぜ国民楽派に分類されるのか、音楽史的な位置づけ、現代音楽とどう繋がっているのか。

 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンのアンバサダー(親善大使)で、オフィシャルブック『クラシックで世界一周』(幻冬舎刊)を上梓したばかりの作曲家・青島広志氏に聞いた。

(聞き手はジャーナリスト 東 壮一)

 ―― 国民楽派とはどのようなものですか。

 19世紀中葉以降、ヨーロッパで誕生し始めた市民社会が生み出した民族色の強い音楽と言えます。地域的には、ロシアや周辺部の中欧、北欧などいわゆるクラシック音楽的には“後進国”だった地域を中心に広がっていきました。19世紀から台頭してきた市民に支持された音楽が国民楽派です。

 市民に支持された音楽という観点から言えばロマン派が先です。ここで音楽史を振り返ると、17世紀に誕生しバッハで頂点に達したバロック、18世紀後半に誕生しモーツァルトなどが属した古典派、19世紀前半に生まれたロマン派と続き、その一派として生まれたのが国民楽派です。

 そうした意味から国民楽派は「遅れてきたロマン派」と言えます。ロマン派のロマンとは「物語」ということです。ロマン派の前に主流を占めた古典派音楽は、モーツァルトのように感情を音のみで表現する抽象的な音楽です。いわば作曲家の感性を体現したもので、それは分かる人は分かるし、分からない人は分からない。

 これに対してロマン派の作曲家たちが取り入れた物語は、曲を具体的で分かりやすいものにし、一般市民に親しみをもたらしてくれました。

 ―― ロマン派とは別に、国民楽派が生まれたのはなぜでしょうか。

 ロマン派の音楽が生まれたのは、ドイツ・オーストリアやイタリアといった音楽の“先進国”でした。一方、国民楽派が生まれたロシアやチェコ、北欧などの国々には、古典派の音楽というものがなかった。その時代には、まだ音楽家はいなかったのです。

 これらの国で生まれた作曲家は、当初は古典派の主要な作曲法であるソナタ形式の音楽を学ぼうとしましたが、商人や職人、教員といった家庭環境で育ったため、経済上の理由から正規の音楽教育を受けられませんでした。

 当時は情報の流通も限られていましたから、独学で修得することもできませんでした。これらの事情から国民楽派の作曲家たちが作曲の素材としたのは、民謡や民族舞曲などの地域性や民族色の濃い既存の音楽でした。だからこそ国民楽派の音楽はロマン派の物語性の流れにあっても民族色が強く、それだけに親しみやすい。国民楽派の作品がオーケストラのソナタである交響曲より、オーケストラのための物語である交響詩が多いのはそのためです。

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