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公務員改革、骨抜きの恐れ

官僚は「霞が関の劣化を招く」と猛反発

  • 杉山 俊幸,大豆生田 崇志

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2007年4月23日(月)

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 永田町と霞が関を舞台として、久しぶりに改革推進と抵抗勢力がつばぜり合いを演じた。焦点となったテーマは、公務員制度改革。政府・与党は2つの内容を柱とする合意にようやくたどり着き、今国会に法案を提出する。

 1つ目の柱は、天下り規制に関するもの。いわゆる新・人材バンクは「官民人材交流センター」(仮称)として2008年中に設立される。中央省庁ごとの官僚天下りを全面的に禁止し、政府が一元的に再就職先を斡旋する。

官僚は「霞が関の劣化を招く」と猛反発

 もう1つの柱は、公務員の人事システムに能力・業績主義を導入することだ。年功序列の人事システムをやめ、文字通り能力や実績で評価する仕組みに変える。若手官僚にやる気を起こさせ、官庁業務の効率性を高めることが狙いだ。

 今回の政府・与党合意は確かに公務員制度改革への一里塚となる。ただ2つの柱が今後うまく機能していくのか、これらの柱が抜本的な公務員制度改革につながっていくのかには、早くも疑問符がつき始めている。

 まず、天下りの一元化について。いつもは冷静な、ある枢要官庁の幹部が語気を強めた。

 「そりゃ私だって我が国の公務員制度が盤石なものなんて思いませんよ。ただ、それを改革するのに、『人材交流センター』などというまやかしから入るなんて…。霞が関の劣化、ひいては日本の将来に大きな禍根を残すことになりますよ」

 官僚の猛反発は、制度をなし崩しにする抵抗と表裏一体のものだ。

運用で葬られた職階法

 なし崩しの一端は、4月13日の政府・与党合意の文書に読み取れる。

 「あっせんの対象職員に関する必要なキャリア及び人的情報の把握のため、センター職員は人事当局等と必要に応じて協力するものとする」

 各省庁の人事当局の関与は完全には払拭されないことになった。こうした関与がある限り、官民癒着の弊害を根絶することは難しいと、危ぶむ声は多い。

 能力・業績主義の導入については、運用面で疑問符がつく。

 年功序列型から能力・業績主義型へ。1990年代に入り民間企業の多くは、そうした方向への転換を試みた。もちろん、うまく運用されている会社ばかりとは言えないものの、日本企業が国際的な競争力を取り戻すきっかけになったのも事実だ。周回遅れで、官庁も能力主義へと舵を切る。

 官僚の人事システムについては、かつて法律まで作って制度を変えたにもかかわらず、一向に運用が始まらなかった“前科”がある。戦後間もない1950年に施行された「国家公務員の職階制に関する法律」(職階法)がそれだ。職階制とは、官庁における必要な業務を細かく決めておいて、その器にふさわしい人材を採用・昇任する制度のことだ。

 行政システムに詳しい東京大学名誉教授の大森彌氏は言う。「現在の官庁の組織・人事システムは法で定めた職階制とは明らかに異なる。施行から半世紀以上を経ても実施されなかったと言っていい」。

 今のキャリアシステムは様々なポストを2~3年ほどで転々としながら、徐々に年功序列で出世していく。明らかに法律の趣旨とは異なる運用が半世紀もまかり通ってきたわけだ。こうした前科があるだけに、今国会に提出される改革法案に、どれほどの実効性を望めるかは未知数と言える。

 小泉内閣で改革推進の立場で抵抗勢力との立ち回りを演じた竹中平蔵・慶応義塾大学教授はこう言ったことがある。「衆院解散にまで至った郵政民営化と比べても、公務員制度改革ははるかに難しい課題だと思う」。

 郵政民営化は、関係省庁や郵政を票田とする政治家らが抵抗勢力となった。今回は、オール霞が関が立ちはだかることになる。

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