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幻の「ソニー出井」招聘構想

楽天がTBS問題で切った財界カード

  • 杉山 俊幸,石川 潤

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2007年5月1日(火)

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 売却か買い増しか。1年半に及ぶ休戦状態が続いていた楽天とTBSの攻防戦が一気に動き始めた。4月19日、楽天は20%超まで買い進めることをTBSに文書で通告した。

TBSの取締役候補として楽天が提案した三木谷浩史会長兼社長(左)、増田宗昭CCC社長(右) (写真左:山口 裕朗、右:村田 和聡)

TBSの取締役候補として楽天が提案した三木谷浩史会長兼社長(左)、増田宗昭CCC社長(右) (写真左:山口 裕朗、右:村田 和聡)

 同時に、6月に開かれるTBSの株主総会で、楽天の会長兼社長である三木谷浩史、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)社長である増田宗昭を、TBSの新任取締役として選ぶことをTBSに提案した。

 ただこの人選、どこか妙だ。増田は楽天の社外取締役を務めており、どうしても楽天サイドの人物に映る。いきおい、三木谷は株買い増しに加えて、TBS取締役の一角を自らに近しい陣容で固める臨戦態勢に入ったような印象を与える。

 だが、そうではない。実は、取締役候補として三木谷意中の人物はもう1人いた。

増田に宛てた1通の手紙

 年度末も押し迫った3月16日。三木谷は増田に対して1通の手紙を綴っている。楽天から推薦する形でTBSの社外取締役になってもらいたい内容が丁寧に書き込まれていた。

 「楽天の代表としてではなく、TBS全株主の代表として企業価値向上に寄与していただきたい」

 TBSの株主総会で過半数の信任を得るには、増田が「TBS全株主の代表」でなくてはならなかった。

 三木谷は、もう1つの策を弄した。別の大物財界人を招聘することだ。

 「出井さん、よろしくお願いできませんでしょうか」

 三木谷が訪ねたのは、ソニー最高顧問の出井伸之だった。楽天が推薦するTBS取締役の候補となってもらえるよう出井に懇願した。出井はソニーで10年間にわたり社長、会長を務めただけでなく、現在、日本経済団体連合会の副会長も務める。いわゆる財界の重鎮だ。

 「軽井沢でゴルフをしたり若手経営者を紹介してもらう程度で、三木谷さんとはあまり接点がないんです」と言う出井。楽天からの中立性は担保できる。そう三木谷は考えたことだろう。

 楽天がTBSに取締役を送り込むのはTBSの経営に関与するとともに、楽天株主に対して三木谷の不退転の覚悟を示す意味合いがある。それだけに取締役候補となる人選は三木谷にとって極めて大切な案件だった。三木谷の念頭には、複数の財界重鎮の名前が去来したことだろう。

 トヨタ自動車相談役の奥田碩、日本郵政公社総裁の西川善文、みずほコーポレート銀行頭取の齋藤宏…。2004年秋、プロ野球の新規参入に際してライブドア社長だった堀江貴文に対抗するため三木谷は後ろ盾を求めた。球団の「経営諮問委員会」メンバーとして奥田ら財界重鎮を勢揃いさせてみせた。

 出井は、このメンバーには入っていない。それでも出井に白羽の矢を立てた理由の1つには、通信と放送の融合という抽象概念を体現すべく、経営の指揮を執った経験などがありそうだ。出井が社長時代、ソニーはCS(通信衛星)放送事業に参入した。300チャンネルという豊富なコンテンツは大容量化するインターネット時代の到来で多大な価値を生むと考えた。

 もっとも、主力のエレクトロニクス分野の軽視によってソニーの業績は落ち込み、株価が低迷する弊害もあった。ただ通信と放送の融合という考え方そのものは否定されるべきものではないだろう。

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