• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

出井流、楽観的ニッポン改造論

日本の“クオンタムリープ”を出井伸之氏が語る

  • 水野 博泰

バックナンバー

2007年5月7日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

クオンタムリープの出井伸之CEO(最高経営責任者)が動く。ソニーの会長兼グループCEOを退いてから1年の節目である6月には、 【Asia Innovation Initiative(AII)】 と題するフォーラムを福岡市で開催し、九州を中心としたアジア地域における半導体産業の連携図を描き出す。出井流の「楽観的ニッポン改造論」を聞いた。(聞き手は、日経ビジネス オンライン副編集長=水野 博泰)

出井伸之氏
写真:陶山勉

NBO クオンタムリープを立ち上げられてから起業家や投資家と話をされる機会が多いと思いますが、出井さんの目から見ると、日本のベンチャーはどんな状況にありますか?

出井 全滅とまでは言いませんが、うまく育っているとは言えないですね。

 まず、お金を出す側の課題がある。日本でベンチャーキャピタルと言えば銀行の孫会社みたいなところが多いわけですが、扱っている案件は多いけれども1件1件の投資額がすごく小さい。アーリーステージのところからIPO(新規株式公開)のところまでもっとしっかり面倒を見るべきだと思います。

 世界に目を転じると、ベンチャーキャピタルの活動もインターナショナルになっています。日本で生んだ技術を中国で育てるとか、米国から日本とか、中国やインドの会社を日本に引っ張ってくるとか、国境を超えたダイナミズムに追い越されてしまっている。

 ベンチャー側にしても、素晴らしい実力を備えているところばかりとはとても言えません。一時のベンチャーブームは去りましたが、それでも今年は200社ぐらいが上場すると見られています。ところが、上場しても値段がつかないような会社も少なくない。これでは投資家からの関心は薄くなる一方です。

 ベンチャーに限らず、今の日本の産業というのは、自分の中に閉じこもっているように思います。思い切って外に飛び出して、これまでとは違う世界を切り開いていかなければなりません。

次の時代のために何をすべきか、その議論を始めよう

NBO 半導体産業に関しては、九州をアジアの拠点にしていくという大きな構想を仕掛けようとしているようですね。

出井 日本の半導体産業はかなり苦しんでいますが、僕はシステムLSI(大規模集積回路)で少なくとも1社、メモリーでも1社ぐらいは日本に残したいと思っています。それは10年単位で見れば、日本の国益にかなうことだからです。例えばこれからの自動車はエレクトロニクスの塊になりますよね。トヨタ自動車がそういうクルマで世界をリードしようという時に、半導体メーカーが日本に1社もないというのは悲しい。

 これまでは、半導体の大半がパソコン向けだったわけですが、ここはもう伸びなくなっている。自動車向けは強力な成長ドライブですが、それだけではないでしょう。今後5年ぐらいの間に、半導体のアプリケーションとか技術ロードマップが大きく変わっていくはずです。大量生産を前提に微細加工技術を競い合う時代が長く続きましたが、そういった単純なビジネスモデルも変容するでしょう。

 半導体産業は、設計からプロセス、ファブ(製造施設)などに細分化が進んでいますが、新しい時代にどこの部分に重点的に投資すべきかということが今まで以上に大切になってくる。幸いなことに、投資マネーは潤沢に流通しているし、この分野の人たちの変革への意識も高まっている。何かきっかけがあれば、すぐにでも動き出せる状態にあるんです。お金と技術、設備と再構築について、いろんな角度からディスカッションしてみようというのが、今度の九州での会議なんです。

NBO 経済産業省とか、官が仕掛けるものとは違うんですね。

出井 いや、官でもいいんですよ。というよりも、日本を取り囲む周辺国は全部官が主導しているんですから。韓国だって、中国だって、台湾だって官なんですよ。官主導と言うと安直に「悪いこと」のように考える人もいますが、そうじゃない。僕は日本は21世紀における国益というものをもっと意識しなきゃいけないと思います。「PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)」という言葉がありますが、官民が一致協力して日本の産業競争力を高める努力は必要ですよ。単に、既存の権益を守るということではなくて、次の時代のために日本は何を押さえるべきかという本質的な議論が前提になります。

コメント3

「NBニュース」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック