那覇市の南西、約400km。世界有数の珊瑚礁とエメラルド色の海に囲まれた沖縄・石垣島は、癒やしを求める都会人に人気の観光スポットだ。
この「美(ちゅ)ら島」で今、深刻な問題が持ち上がっている。大量定年期に入った団塊世代を中心とする都市部からの移住者と地元住民とのあつれきだ。人口減に悩む地方自治体にとって、団塊世代は大切な“お客様”のはずだが、石垣島では逆に「団塊様、お断り」の空気が強まっている。
南の島の「リトルトーキョー」

石垣島の郊外にある新興住宅地、山原の周辺では、建築途中の住宅や「売地」の看板を立てた空き地が目立つ (写真:宮嶋 康彦)
島の人口は現在約4万7000人だが、県外からの移住者は昨年だけで1840人にも上る。住民票を移さない“幽霊人口”を含めると、実際の人口は5万〜6万人に達するという見方もあり、移住ブームは盛り上がる一方だ。
石垣島には地元の人が「リトルトーキョー」と呼ぶ地域がある。市街地から車でおよそ30分、海を一望する斜面に40戸ほどの家が建つ山原(やまばれ)の新興住宅地だ。デザインに工夫を凝らした家が立ち並び、近隣には犬の美容室や瀟洒なレストランもある。まさに東京の住宅地さながらの「移住村」だ。
地元の不動産会社の社員は、「山原の住民は、全員が他府県から来た人。4年ほど前は坪4万〜5万円だった地価が、7万円程度にまで値上がりした」と話す。
だが、不動産関係者が好況に頬を緩める半面、もともとの住民は移住者の増加に苛立ちを募らせる。「もう来ないでほしい」というのが地元の一般住民の本音だ。
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