「ニンテンドーDSの販売が2006年度に国内で900万台を超えたのは、いささか異常。日本では単年度で販売台数が600万台を超えたハードはない」――。4月27日に行われた2007年3月期の決算説明会。任天堂の岩田聡社長自らが「異常」と言う「DSブーム」の社会現象は、昨年度の任天堂の決算に大きなインパクトを与えた。
2007年3月期の連結業績では、売上高は前年比89.8%増の9665億円、営業利益は同150.2%増の2260億円となった。創業以来の好業績を受け、期末配当予想を410円から620円に上方修正した。株価は今年に入って上場来高値を何度も更新し続け、5月7日には3万9800円の高値を付けた。現在も、4万円をうかがう水準で推移し、連結予想PER(株価収益率)は30倍を超える。
DSの異常な売れ行きに、昨年12月に発売した家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」が拍車をかける。今年3月末までの全世界での販売台数は584万台で目標の600万台を達成することはできなかった。しかしこれは「生産が追いつかなかった」(岩田社長)ためで、需要は旺盛。利益率の高いWii向けソフトの販売本数は2884万本と目標の2100万本を大きく上回り、Wiiブームの予兆が見えてきた。
今期のカギは米国市場の攻略
絶好調の前期。今期、2008年3月期は好調を維持できるのか。そのカギは、米国市場が握っている。「世界最大の米国市場への普及無くしてゲームプラットフォームの成功はない。今年は特に米国市場に注力し、ゲーム人口拡大の確かな手応えをつかみたい」(岩田社長)。
岩田社長が3年前に掲げた「ゲーム人口拡大戦略」は、DSの「脳を鍛える大人のDSトレーニング(脳トレ)」の爆発的なヒットを契機に、日本で受け入れられた。結果、従来「1:2」だった日米のゲーム市場の比率は、DSになると「1.5:1」。米国を日本が逆転している。Wiiに関しても、今年3月までの数字を見れば、日米の売れ行きは同等で、日本の倍には至っていない。
いまだに、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のプレイステーション2(PS2)や、任天堂のゲームボーイといった旧世代機向けソフトが売れる米国市場は「変化が最も遅い市場」(岩田社長)で、明確にゲーム人口拡大戦略が成功しているとは言えない状況だ。
だが岩田社長は2つの資料を提示して、米国市場でも変化の予兆が出てきたことを強調する。1つはソフトの売り上げランキングだ。
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