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下期成長を見込む今期予想に株価は上値重い

  • 中川茂雄

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2007年5月18日(金)

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 2007年3月期連結決算は7.6%の増収(1兆96億円)も、営業利益は2.2%の減(751億円)となった。営業減益となったのは原油高と、売上高の約30%を占める化成品事業の主力商品で、DVDやパソコン・携帯電話の筐体などに使われるポリカーボネート(PC)樹脂の価格下落などが影響した。

 今期の連結営業利益は6.6%増の800億円と過去最高益更新を見込む。2009年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画「STEP UP 2006」で、2009年3月期1000億円の連結営業利益を最終的な目標としているが、この達成を確実に射程圏に入れることができるかどうかは、今期予想にどれだけ上積みを図れるかにかかっている。

増益シナリオは3つ

 会社の今期増益シナリオは、大きくわけて3つある。1つは再建中であるポリエステル繊維事業の黒字化だ。ポリエステル繊維事業の状況を見ると、国内外の主要グループ4社の営業損益は、2006年3月期に35億円の損失、2007年3月期は40億円の損失と、赤字が拡大している。しかし、今期は5億円弱の損失に減少する見込み。通期では赤字だが、下期に黒字化する計画だ。インドネシア子会社が石炭へ燃料転換するなどのコスト削減効果が大きい。

 2つ目は成長事業のアラミド繊維及び炭素繊維の拡販だ。アラミド繊維は、米デュポンとの2社寡占で、防弾・軍需用、摩擦材向けなどに数量で年率9%の高い成長を見込む。さらにアラミド繊維は従来にないゴム改質材料であるサルフロンを開発し、タイヤの耐久性を向上させる材料として有望視されている。

 炭素繊維では世界シェア24%を占める業界2位。同繊維も上位3社でシェア70%を占める寡占市場で、主に航空機・工業用・スポーツ向けなどの用途で広がり、これらの用途を中心に年率15%成長を予想されている。

 そして3つ目は、同じく成長事業だが、前期は利益圧迫要因となったPC樹脂の回復だ。PC樹脂も上位5社でシェア85%を占める寡占市場で、帝人のシェアは10%強と3位。PC樹脂の回復は今年度下期からの見込みで、これが今期の予想営業利益が1ケタ台の伸びにとどまる主な要因だ。

 PC樹脂は2006年3月期に原料価格以上に製品市況が上昇し、大幅増益となったが、2007年3月期は供給増で市況が反落し、下期に大幅減益した。同製品の推定営業利益は、2006年3月期に310億円、2007年3月期に250億円。今期は供給増が需要増を下回り、需給は均衡化して市況は下期に好転し、推定営業利益は230億円(上期110億円、下期120億円)の見通しである。帝人は今後、シート・成形品の加工品を2割に高め、市況変動の影響を軽減していく方針だ。

成長見込み生産能力の増強続ける

 今期、会社予想より利益の上積みを図り、さらに中計の最終目標を達成するカギは、PC樹脂を含め、アラミド繊維と炭素繊維の高機能繊維の成長にかかるところが大きい。これら3製品は、中計のSTEP UP 2006でも成長事業と位置づけ、戦略的に設備投資や研究開発費を振り分ける方針を示している。

 成長事業に資金を戦略的に配分する理由は、3製品の収益を見ると分かる。2007年3月期推定で売上高は全体の26%を占めるに過ぎないが、営業利益は全体の70%を占め、売上高営業利益率は19%に達する。収益性が高いのは、3製品がどれも寡占市場で、しかも成長しているからだ。

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