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旭化成

4期連続の増収増益でも株価は軟調

  • 谷川 博

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2007年5月21日(月)

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 旭化成の株価が軟調だ。会社が5月8日に2007年3月期決算を発表してから続落し、中旬には約3カ月半ぶりに800円を割り込んだ。年初来高値となった2月22日の906円(終値)と比べると10%以上の下落となる。

 とはいえ、足元の業績は好調だ。2007年3月期には連結売上高1兆6237億円(前年同期比8.4%増)、純利益685億円(同14.9%増)と4期連続で増収増益を達成。売上高、純利益ともに過去最高を記録した。1株当たりの配当金も前の期より2円高い年12円とし、3期連続で増配した。

 今期(2008年3月期)も連結売上高1兆6820億円(同3.6%増)、純利益700億円(同2.1%増)と増収増益を見込み、配当金も年13円と1円増配を予定。引き続き業績拡大を続け、利益の株主還元にも努める構えだ。

 にもかかわらず、決算発表直後から株価が下落基調にあるのはなぜか。

好決算と増配は織り込み済み

 1つには、株式市場に「材料出つくし感」があることだ。会社は1月末に2007年3月期の業績上方修正と期末の増配方針を発表。併せて、2月末に発行済み株式数の3%弱に当たる4000万の自己株式を消却することも打ち出した。その直後から780円前後でもみ合っていた株価が上昇に転じ、2月下旬に一時900円を超えた。だが、その後は「買い材料」に乏しく、3月以降は800円台でもみ合う展開となった。

 市場では2007年3月期の好決算と期末増配については既に織り込んでおり、関心は今期の業績予想と配当方針に移っていた。そんな中、会社が発表した今期の業績予想は売上高と純利益がともに前期の実績を上回ったが、増加水準が市場予想を下回った。中でも、税制改正に伴って減価償却費が47億円増えることで連結営業利益が1260億円と1.4%減少することが投資家の失望を招いた。

 会社は「減価償却費の増加分を除けば、実質的には営業増益となる」としているが、市場では「税制改正に伴う減価償却費の増加という条件は各社共通、そうしたマイナス要因を吸収するほどの力強い利益計画を見たかった」という指摘もある。これが株価軟調の2つめの理由だ。

 会社は前期の決算発表と併せて今期の増配方針も示していた。だが、会社がかねて「増配の継続」を掲げてきたことから、市場では今期の増配も織り込んでおり、その発表は特段の買い材料とはならなかった。

 株価軟調の3つめの理由は、戸建て住宅「へーベルハウス」の建築・販売を主力として、売上高、営業利益ともに全体の2割以上を占める住宅事業の受注が低調なことだ。2006年度(2007年3月期)第2四半期以降に受注金額の前年割れが続き、年度替わりの今年4月にも単月の受注金額が前年同期の実績を1%ほど下回った。このことも投資家が積極的に株を買いづらい材料の1つとなっている。

 旭化成はほかにも化学事業や医薬・医療機器事業、繊維事業、電子材料・部品事業、建材事業、サービス・エンジニアリング事業を展開している。だが、ほかの事業に比べて住宅事業は一般投資家にとって内容が理解しやすい。加えて、会社がその受注実績を毎月発表していることから、投資家にはそれが月単位で経営動向を把握するための「唯一の物差し」となっている。このため、住宅事業の受注動向が株価に与える影響は実体以上に大きいと言われている。

 そして、最後にして最大の株価軟調の理由は、投資家が旭化成の中長期的な成長を確信できず、会社の将来像が見えにくいところにある。

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