「時流超流」

セカンドライフ、日本も乱舞

東京タワー開業、電通は最大級都市建設へ

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2007年5月21日(月)

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 米リンデンラボが運営し、世界で600万人近い“住人”がコミュニケーションやカネ儲けに興じる仮想空間のセカンドライフ。夏頃にも始まる日本向けの正式サービスをにらみ、国内企業が大規模な仮想都市の建設に着手していることが明らかになった。

 欧米からの利用者が多いセカンドライフ。これまでトヨタ自動車や日産自動車などの日本企業がセカンドライフに参入してきたが、ほとんどが米国法人による米国向けの取り組みだった。

 ただ、実は専用ソフトは既に日本語化されており、他人との会話も日本語で楽しめる。数万人程度と見られる日本の利用者は徐々に増え、日本人街と呼ばれるコミュニティーも形成されつつある。こうした状況を受け、仮想空間を新たな広告宣伝に活用しようとする日本企業が続々と出てきたのだ。

「分身」でアイドルとデート

 記者は5月14日午後、自分の分身であるアバターを通じて仮想世界の中で取材した。広報担当と待ち合わせをしたのは「dejima」というセカンドライフの島。建設中のため一般人は入島不可だが、特別に入れてもらう。出迎えてくれたのは、銀髪に黒い革パンツといういでたちのアバターだ。

 「初めまして。よろしくお願いいたします。早速ご案内します」

 挨拶もそこそこに、彼が案内してくれた先にそびえ立つもの。それは、骨組みの形状から色まで本物そっくりの「東京タワー」だった。

上は5月21日に一般公開するセカンドライフ版の東京タワーの全景。左下は展望台からの風景。右下は東京タワー近隣に併設するアイドルグループ「AKB48」の施設。グッズの販売も計画されている

上は5月21日に一般公開するセカンドライフ版の東京タワーの全景。左下は展望台からの風景。右下は東京タワー近隣に併設するアイドルグループ「AKB48」の施設。グッズの販売も計画されている

 「ここを取材していただくマスコミの方は、あなたが初めてです」

 パソコンのカーソルキーを押して自分のアバターを動かし、案内役の彼に一生懸命ついていく。エレベーターに乗ると、窓から赤い骨組みが下に流れるのが見え、地上150mの大展望台に到着。そこには実際の大展望台から見えるのと同じ景色が広がっていた。展望台の2階にはグッズ売り場もあり、東京タワーのキャラクターや、ミニチュアの東京タワーなどが並ぶ。

 「この窓から外に飛べるようにしました。飛んで空中から東京タワーを眺めてみましょう。壮観ですよ」

 多少の恐怖を覚えつつ「飛ぶ」ボタンをクリックして飛ぶ。眼下に広がるのはテーマパークのような光景。映像制作関連のデジタルマーケット(東京都港区)が建設を進める仮想都市だ。

 デジタルマーケットは現実の東京タワーを運営する日本電波塔の依頼を受けて仮想の東京タワーを作り、その周辺に娯楽関連施設を併設する形で、都市の完成を急いでいる。外観や内部構造はほぼ完成しており、5月21日に都市を一般公開する。

 東京タワーで集客し、周辺施設で企業のプロモーション活動をする新手の戦略。アイドルグループの「AKB48」と提携した施設では、セカンドライフ限定のビデオ映像や写真を展示して、ファンサービスを展開するという。

 「将来はメンバーのアバターとセカンドライフ内を散歩したり、会話が楽しめるような企画も考えている」

 こう語るのは、デジタルマーケットの芝幸太郎社長。まずは、現実世界の寸法に置き換えると6万5536m2相当の「島」を2つ、用地として確保した。

 「今後は10島程度まで拡張し、携帯電話会社のショップや各種プロモーションのイベントなど、様々な企業誘致活動を進めていく」(芝社長)

 東京タワーの一般公開は、日本企業がいよいよ日本の消費者向けに本格進出し始めた象徴と言える。

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