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東レ

安定拡大の中にサプライズ求める市場

2007年5月22日(火)

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 東レの2007年3月期の業績は、連結で売上高が1兆5465億円、営業利益が1024億円、経常利益が975億円、純利益が586億円となった。これは5期連続の増収増益で、売上高は4年連続、営業利益と経常利益は3年連続、純利益は2年連続と軒並み過去最高を更新。順調な拡大が続いている。

 業績好調の要因についてIR担当の斉藤典彦常務は「東レにおける新旧の収益の柱を共に伸ばせたことにある」と分析する。

 新しい収益の柱として貢献したのが、航空機向けなどに需要が伸びる炭素繊維。機体の7割を占めたアルミニウム合金に代わる材料として注目されているのが、軽くて丈夫な炭素繊維を使った複合素材だ。これを用いることで、飛行機の大幅な軽量化が可能となる。

 東レは昨年、航空機メーカーの米ボーイングと炭素繊維の供給について、2021年まで独占契約を結んだ。来年5月にエアラインへの納入が始まるボーイングの次世代中型旅客機「787」(以下B787)では炭素繊維を使った複合材が多く用いられるためだ。

 B787は主翼の製造を海外企業として初めて三菱重工業7011が担当したり、川崎重工業7012が胴体と主翼の結合部分を、富士重工業が中央翼を担当したりするなど、主要な部分を日本企業が製造する初の試みとあって注目されている。B787では炭素繊維が1機当たり30トンと重量の半分を占めるほど使用され、その全量を東レが納入する。

 2007年3月期の業績をセグメント別に見ると、炭素繊維複合材料が東レにいかに貢献しているかが分かる。炭素繊維複合材料の売り上げは前年比30%増の686億円、営業利益は53%増の181億円になり、利益率は26%に達する。

 炭素繊維複合材料の利益は、6078億円を売り上げる繊維事業の営業利益192億円、売上高3753億円のプラスチック・ケミカル事業の営業利益192億円(いずれも2006年度実績値)とほぼ同額の利益を上げるなど、収益の柱として成長した。炭素繊維複合材料事業と、半導体などの情報通信材料・機器部門を「戦略的拡大事業」と位置づけ、設備投資を増強して対応している。

 B787の受注が好調(世界44社から567機、2007年5月16日時点)とあって、東レは総額550億円を投じて日米仏の3拠点における生産設備増強を決めた。国内では愛媛工場に次ぐ二番目の生産拠点を石川工場に新設する。2009年初めまでにグループ全体で年1万7900トン(2003年末比145%増)の生産体制を整える。今後は自動車など、別分野での販路拡大が見込まれるが、自動車メーカーに販売するにはまだ価格面での調整が必要となっている。

基盤事業も回復

 東レの好調業績を支える要因の2つ目となるのは、旧来型の事業の復活だ。同社が基盤事業と位置づけているのが、「繊維」「プラスチック・ケミカル」部門。しかし、繊維事業の中核となる合繊やプラスチック・ケミカル事業のナイロンなどは、1990年代後半から中国やインドの台頭により、付加価値があまり高くない量産品のコスト競争が発生して収益が悪化していた。2001年度決算ではIT(情報技術)バブルの崩壊による半導体不況も重なり、単独で営業赤字を計上するに至った。

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「東レ」の著者

白壁 達久

白壁 達久(しらかべ・たつひさ)

日経ビジネス記者

2002年関西大学経済学部卒業後、日経BP社に入社。日経ビジネス、日経ビジネスアソシエを経て、2015年から香港支局長としてアジア全体をカバーする。2016年8月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師