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アステラス製薬

R&D費減少で増益見込みに市場からは?

2007年5月30日(水)

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 5月中旬、国内製薬大手4社の2007年3月期決算が出揃った。最大手の武田薬品工業4502と4位のエーザイ4523が前期に比べて増収増益となった一方、2位の第一三共4568と3位のアステラス製薬は増収ながら減益となった。国内の製薬再編とは距離を置いて独自路線を貫いてきた武田、エーザイと、大手同士の合併によって誕生した第一三共、アステラスとで明暗が分かれた格好だ。

 第一三共とアステラスが減益となった主因は、ともに研究開発費が前期に比べて大幅に増加したこと。アステラスは昨年4月、米フィブロジェンが開発中の貧血治療薬の米国以外における独占販売権などを取得した。このライセンス契約に伴う一時金375億円を一括計上したことが、研究開発費の増大につながった。

大手で突出する予想営業利益

 2007年3月期決算では明暗が分かれたが、2008年3月期の業績予想に目を転じると様相が一変する。各社とも主力薬の売り上げの拡大を背景に営業増益を見込んでいるが、その伸び率でアステラスが突出しているのだ。

 アステラスの2008年3月期の予想営業利益は、2007年3月期の実績に比べて31.2%増の2500億円。武田は同2.5%増の4700億円、第一三共は同15.2%増の1570億円、エーザイは同6.4%増の1120億円をそれぞれ見込んでおり、アステラスの予想営業利益の伸びが際立つ。

 こうした強気の営業利益予想が好感されて、4月中旬以降に下がり続けていたアステラスの株価は急反発。5月23日には終値で5360円まで上昇した。

 同社の2008年3月期の連結予想PER(株価収益率、QUICKコンセンサスベース)は約20倍。武田の約18倍よりは上だが、第一三共の約27倍やエーザイの約23倍を下回っている。このように割安感がまだ残っていることから、昨年12月につけた合併後の最高値5470円の更新も視野に入ってきた。

他社に比べて見劣りする研究開発費

 もっとも、アステラスが強気の営業利益予想を打ち出した要因は、順調に拡大している主力薬の売り上げだけではない。もう1つ利益を押し上げる大きな要因がある。2008年3月期の研究開発費が1410億円と、2007年3月期の1679億円に比べて16.0%も減少する点だ。「フィブロジェンから独占販売権などを取得したライセンス契約の一時金がなくなる反動」とアステラスの野木森雅郁社長は説明する。

 一方、ライバル各社を見ると、武田は2008年3月期の研究開発費を2007年3月期に比べて19.0%増の2300億円、エーザイは同14.5%増の1240億円に積み増す。第一三共も同5.3%減の1615億円という高い水準を維持する。こうした他社の積極的な研究開発投資に比べると、アステラスの姿勢は物足りなく映る。

 他社が研究開発投資に積極的なのは、いずれも現在の成長を牽引している主力薬の特許が2010年前後に切れるからだ。欧米で特許が失効すると、後発医薬品がすぐに出回って売り上げが激減する。その影響を吸収して一段と成長するために、新たな主力薬の開発に躍起になっているわけだ。

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「アステラス製薬」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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