「時流超流」

ソニー、深刻なゲームの壁

営業利益率5%の“公約”で袋小路に

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2007年5月30日(水)

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 「(ゲーム事業の先行きに関しては)歯切れが悪いんですよ。『プレイステーション(PS)3』の価格を1万円下げれば、利益は1100億円も下振れする。マグニチュード(影響)が大きく、見通しにくい」。こう話すのはソニーの大根田伸行CFO(最高財務責任者)だ。

 2007年3月期のソニーの連結決算はおおむね予想通りだった。液晶テレビなどのヒットで、好調なエレクトロニクス部門の営業利益は1567億円。ノートパソコン用電池パックの回収費用などを除くと、ハワード・ストリンガー会長兼CEO(最高経営責任者)が2008年3月期に掲げる4%の営業利益率の目標を若干上回った。

 決算を受けてソニーの株価は急上昇。5月22日の終値は、決算前日の15日を1割強上回る。「買い(推奨)継続、会社計画には上振れ余地がある」。ゴールドマン・サックス証券の藤森裕司アナリストは、営業利益の予想を引き上げた。株式市場では会社全体の目標である今期の営業利益率5%の達成にも期待が高まっている。

50位内に1つもないソフト

 にもかかわらず大根田CFOが不安な表情を見せるのは、ゲーム事業の混迷がPS3発売によって解消されるどころかむしろ深まっているからだ。同事業の行方次第で、ソニーの“公約”達成には赤信号が灯りかねない。

 ゲーム事業は2007年3月期に2323億円の巨額の営業赤字に沈んだものの、今期は500億円程度の営業赤字に改善するというシナリオをソニーは描く。だが、これは極めて不透明だ。

 PS3の販売は予想以上に厳しい。前期の出荷台数550万台に対して、ソニーの抱える在庫は190万台。大根田CFOは「(消費者が)欲しい時に買える適正在庫」と言うが、不安もある。

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著者プロフィール

大竹 剛(おおたけ つよし)

1998年、デジタルカメラやDVDなどの黎明期に月刊誌「日経マルチメディア」の記者となる。同誌はインターネット・ブームを追い風に「日経ネットビジネス」へと雑誌名を変更し、ネット関連企業の取材に重点をシフトするも、ITバブル崩壊であえなく“休刊”。その後は「日経ビジネス」の記者として、主に家電業界を担当しながら企業経営を中心に取材。2008年9月から、ロンドン支局特派員として欧州・アフリカ・中東・ロシアを活動範囲に業種・業界を問わず取材中。日経ビジネスオンラインでコラム「ロンドン万華鏡」を執筆している。



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