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アサヒビール

前期でビール系首位を確保できるか

2007年5月29日(火)

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 アサヒビールのビール系飲料の出荷が好調だ。2007年1~4月のビール、発泡酒、第3のビールを合わせた出荷数量は約5156万ケース(1ケースは大瓶20本換算)で前年同期比3.2%増。ビール大手5社の合計で同2.8%減と、業界全体が減少する中、気を吐いた格好だ。

 好調の要因は2つ。昨年10月から弱点であった発泡酒と第3のビールで新製品を次々に投入し、ここにきてブランドとして定着してきたこと。前年割れを続けていた大黒柱のスーパードライが4月に増加に転じたことだ。

 アサヒはビール系飲料市場でキリンビール(2503)と熾烈なシェア争いを繰り広げている。2007年1~3月ではキリンがトップだったものの、アサヒとのシェアの差は0.5ポイントにも満たない。このまま好調が続けば、1~6月ではアサヒがトップになる可能性も出てきた。

発泡酒と第3のビールで巻き返す

 アサヒは2月に生ビールのような本格的な味わいを追求した発泡酒「本生ドラフト」、3 月に糖質ゼロを売り文句とする発泡酒「スタイルフリー」を発売した。さらに、5月には昨年10月に発売した第3のビール「極旨(ゴクうま)」をリニューアルした。

 現時点で発泡酒は4製品、第3のビールは3製品のラインアップを揃えたアサヒに対し「商品が小粒になり、管理も煩雑になる」と流通関係者からは不満の声も聞こえてくる。

 これに対しアサヒの泉谷直木酒類本部長は「値段と味に健康志向が加わり、消費者のビール系飲料に対するニーズが多様化した。実際に4種類程度のブランドを飲み分けている消費者が多数を占める。商品サイクルが短くなることは本位ではないが、ある程度の品揃えは必要になる」と語る。

 こうした商品戦略が奏功し、キリンに比べて出遅れていた発泡酒と第3のビールの出荷が延びてきた。2006年度、アサヒの全体の出荷量に占める発泡酒と第3のビールの割合は26.9%だったが、2007年1~4月では31.5%に上昇した。

 スタイルフリーや極旨など毎月の安定した出荷数を見込める定番製品も出てきており、巻き返しに弾みがつきそうだ。

 一方、主力のビールでは発売20周年を迎えたスーパードライの販売促進を強化する。スーパードライは2006年度、前年比で2.4%減と2年連続で出荷数を落とした。2007年も1~4月までは2.6%減と振るわない。

 ビールの不振はアサヒだけではなく業界全体の傾向だ。1994年をピークに、ビール全体の市場は縮小を続け、現在は半分程度の出荷量にまで落ち込んでいる。

 この状況を打破すべくアサヒは店頭や飲食店に対し「スーパードライ」の営業を強化する方針を取る。

 泉谷酒類本部長は「スーパードライは『鮮度』が売り。そのメッセージを販売店、飲食店を通じて消費者に徹底してアピールしていく」とし、店頭での「鮮度セミナー」を全国200カ所で、飲食店向けの「樽生クオリティセミナー」を積極的に開催する。「鮮度のいい状態で出荷し、飲食店や自宅で最適なグラスで注ぎ方を工夫すれば、ビールはよりおいしく飲める。そうすれば消費量も増える」という理屈だ。

 「こうした活動は結果が出るまでに時間がかかるが、その兆しは見え始めた。スーパードライの出荷数は4月単月では、前年同月比で102%と5カ月ぶりに増加に転じた。スーパードライの落ち込みは底を打ったと考えている」(泉谷酒類本部長)

 発泡酒と第3のビールの新製品攻勢とスーパードライの営業強化で、販売促進費が増加している。2007年1~3月の第1四半期決算では、販促費が前年比49億円増となり、39億円の営業赤字となった。年間1200億円を予定している販促費のうち、329億円を第1四半期に集中させた結果だが、ビールが売れだす夏商戦に向けて、どこまで出荷数を伸ばせるかが今後の収益改善のカギになる。

カゴメとのシナジー効果が今後の注目点に

 アサヒの株価は2006年11月後半から上昇基調となり、12月20日から25日にかけ一気に206円上がり終値で1920円を付けた。

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「アサヒビール」の著者

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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