• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

矮小化するニッポン

松岡利勝前農相の自殺で憂うこの国の皮相と末梢

  • 水木 楊

バックナンバー

2007年6月1日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 昔、三木武吉という政治家がいた。同じ選挙区の対立候補から、「某候補は妾を3人も囲っている。こんな人間は、選良としての資格がない」と立会演説会で攻撃された時、ドラ声を上げて反論した。

 「いま“某候補”と言われた人間は、この私であります。しかし、今の発言には決定的な誤りがある。囲っている女性3人とおっしゃったが、そうではない。4人の面倒を見ているのであります」

 場内は爆笑に包まれ、女性問題は雲散霧消してしまった。

スケールの大きい政治家がいなくなった…

 三木は戦前、電鉄汚職にからみ、逮捕されたが、仲間をかばい最後まで自供しなかった。戦後、いろいろと背後関係についての噂が絶えなかったが、旧自由党と旧民主党との大合同を演出し、「55年体制」を築き上げる大立者となった。彼がいなかったら、日本の長期繁栄の基礎となった政治的な安定は実現しなかったか、相当に遅れたことだろう。

 もう1人、政治家ではないが、今日の9電力体制を作り上げ、エネルギーの安定供給を導いた人物に、「電力の鬼」と呼ばれた松永安左ェ門がいる。松永は普段から公言してやまなかった。「大病、破産、それに留置所を経験しなかった者は、大物にはなれない」。

 慶応義塾大学の学生だった頃、コレラにかかり、死線をさまよい、長じて株式や石炭への投機がたたり、すってんてんの夜逃げ生活を味わい、三木同様、電鉄汚職にかかわって留置所で検事の追及を受けた。ちなみに、この時同じ事件にからみ、一緒に留置所に入っていたのは、阪急の創始者である小林一三である。

 戦後政治の天才と言えば、田中角栄だろう。ロッキード汚職で失脚した彼については毀誉褒貶相半ばするが、日中国交回復の立役者であり、議員立法の記録保持者であり、大胆な公共事業によって都市と農村の格差を縮めた推進者であることを否定する者はいないだろう。まれにみるスケールの大きな政治家であったことは確かである。

コメント88件コメント/レビュー

簡単に賛同も反論もできない、面白い記事でした。日本の国家構造はもう古くて、現状に追いついていませんが、これほど大きな組織を根本から変えるには、少々の「罪」を犯すことを恐れているようでは無理があるのは確かだと思います。小泉さんは変革の糸口くらいは付けましたが、それでも「チマチマした」罪くらいはもう週刊誌が騒いでいます。男らしいという言い回しは感情的な異論もあるでしょうが、角栄さんが「ブルドーザー」と比喩されたような力技が、国家の転換期にはやはり必要なのではないでしょうか。一方で、改革によって安定していた生活を撹乱される生活者個々への視点を持った政治も必要ですが、それはまた別の人がやればいい。だから議員があんなにたくさんいるのではないでしょうか。国家百年の計と一家一日の計を同じ人が面倒を見るのは無理だと思います。(2007/06/12)

オススメ情報

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

簡単に賛同も反論もできない、面白い記事でした。日本の国家構造はもう古くて、現状に追いついていませんが、これほど大きな組織を根本から変えるには、少々の「罪」を犯すことを恐れているようでは無理があるのは確かだと思います。小泉さんは変革の糸口くらいは付けましたが、それでも「チマチマした」罪くらいはもう週刊誌が騒いでいます。男らしいという言い回しは感情的な異論もあるでしょうが、角栄さんが「ブルドーザー」と比喩されたような力技が、国家の転換期にはやはり必要なのではないでしょうか。一方で、改革によって安定していた生活を撹乱される生活者個々への視点を持った政治も必要ですが、それはまた別の人がやればいい。だから議員があんなにたくさんいるのではないでしょうか。国家百年の計と一家一日の計を同じ人が面倒を見るのは無理だと思います。(2007/06/12)

安倍首相のコメントも見てみたい。(2007/06/10)

この何年か、日本は随分豊かになりましたが、何か住みにくい、人と触れ合った気がしない、非常に冷たい国になった気がします。それは、日本中での何か「心の支え」になっている「大物」がいなくなったのではないかと思います。政治家、学校の先生、父親・・・昔から集団での「権威」の「象徴」とされていたものが崩れているではないかと思います。そのような人々を中心に集団は成り立っていたのに、何かまとまりのない、つまらない国になったのでないか。まとまりがなければ、秩序がなくなる。秩序がなくなれば、住みにくい。そのように考える今日この頃です。やっぱり世の中「怖い人」や「豪快な人」は必要なんですよ。(2007/06/06)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

物事の考え方やビジネスモデルが過去の延長では立ち行かなくなってきている。

渡辺 秀一 メディパルホールディングス社長