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医療大国日本、「井の中の蛙」

はしか流行で露呈したワクチンメーカーの脆弱さ

  • 中野目 純一, 坂田 亮太郎

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2007年6月11日(月)

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 首都圏を中心に、はしか(麻疹)の感染者が拡大している。大学や高校などで休講が相次ぐ騒ぎとなり、はしかの感染を予防するワクチンの需要が急増。メーカーの供給が追いつかず、ワクチンの接種が困難な状況に陥った。「医療先進国」日本とは思えない異常事態が続いている。

品薄で接種を受けられず

10代と20代の感染者が激増

 今年の流行は従来とは特徴が大きく異なる。はしかは通常、10歳未満の子供がかかる感染症だが、今年は10~20代の感染者が際立って多い。大人になってはしかにかかると、脳炎や肺炎などを併発して重症になる恐れがある。そこでワクチンの接種を求める10~20代が医療機関に殺到。5月16日に45万人分あった国内のワクチン在庫は、5日後の21日には22万人分に半減してしまった。

 5月末時点の在庫は、はしか専用ワクチンが3万人分、はしかと風疹の混合ワクチンが7万人分。「混合ワクチンは6月末までに50万人分が新たに出荷されるが、はしか専用ワクチンの出荷は9月までない」。厚生労働省医薬食品局血液対策課の堀内直哉課長補佐はこう話す。

 新たに出荷される50万人分も、1歳児などへの定期予防接種での使用が優先される。はしかが流行するのは通常、春から夏にかけて。品薄からワクチンの接種をまだ受けられない10~20代の患者の多くは、当面の間、感染の不安を抱いたまま悶々とした日々を送ることになりそうだ。

 需要が急拡大したとはいえ、十分に対応できる量のワクチンがすぐに出荷されないのはなぜなのか。

 最大の理由はワクチンそのものの性質にある。まず有効期限が1年と短いこと。期限内に使われなかったワクチンは返品され、メーカーが廃棄しなければならない。廃棄に伴うコスト負担をできるだけ減らすため、メーカーは定期予防接種向けを中心に必要最低限の量しか生産せず、ワクチンの在庫をほとんど抱えていない。

 さらに、ワクチンは製造を始めてから出荷までに時間がかかる。はしかウイルスを培養細胞で増殖して作るうえ、出荷前には国立感染症研究所の国家検定を受ける必要があるからだ。あるメーカーの社員は「出荷までに6カ月はかかる」と打ち明ける。

 「国内メーカーがすぐにワクチンを増産できないなら、海外から輸入してはどうか」。国会の審議では、ワクチンの需給逼迫を危惧した議員からこんな声も上がった。しかし、それはできない相談だ。「外国製のはしかワクチンで国内の販売承認を得ているものは1つもない」(厚労省健康局結核感染症課の高山研専門官)からである。

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