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安全管理も「利用客任せ」

急成長の格安ツアーバスに注がれる厳しい目

  • 佐藤 嘉彦

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2007年6月12日(火)

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 低価格を武器に急成長が続く高速ツアーバス。しかし、6月1日に国土交通省が発表した「貸切バス事業者に対する重点監査の実施結果」では、その安全性の危うさが改めて浮き彫りになった。ツアーバスを運行する事業者84社のうち、68社で法令違反が見つかったのだ。その割合は実に81%だ。

死傷事故は氷山の一角

 違反の中で目立ったのが「過労防止義務違反」。1日最大16時間とされている拘束時間や、最低8時間取る必要がある休息期間、連続4時間までと定められている運転時間が守られていなかった。運転手の過労が原因で起きた、2月の「あずみ野観光バス」(長野県松川村、現ダイヤモンドバス)の死傷事故は、氷山の一角に過ぎない。

 運転手が無理な勤務を強いられる背景には、バスをチャーターする旅行会社の強い要求があると言われる。あずみ野観光バスの場合、運転手が足りないにもかかわらず、旅行会社の要求を引き受けて無理にバスを運行したことが事故につながった。

 2月の事故後、ツアーバスに対する世間の目は厳しくなるばかり。これを受け、ツアーを企画する旅行会社側にも安全性を強化する動きが出てきた。

村瀬社長はウェブに乗客の声を載せ、安全性を高めると話す

村瀬社長はウェブに乗客の声を載せ、安全性を高めると話す

ウィラートラベルのWebサイト

 2006年、約50万人を集客したというツアーバス大手のウィラートラベル(東京都港区)。同社は5月29日、都内のホテルで快適性を高めたツアーバスの新型座席の発表会を開いた。だが、村瀬茂高社長は新サービスの発表もそこそこに、多くの時間を安全への取り組みの説明に費やした。

 村瀬社長が法令順守とともに強調したのは、「自己責任」だ。規制緩和で生み出された競争状態がバス業界の活性化につながったと評価する一方、規制が緩和された以上、利用客自身が安全な旅行会社やバス会社を選ぶ必要があるとする。しかし「今までは利用客が安全性を確認できる場がなかった」(村瀬社長)。そこで、利用客の声を積極的に吸い上げて情報公開し、サービスや安全管理を改善すると話す。

 ただ、サービスならまだしも、安全管理という根本的な問題について「お客様の声で改善する」のは違和感がある。そうならざるを得ないのは、ツアーバスに構造的な問題があるからだ。

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