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JR東日本

「不動産」と「流通」、副業で稼ぐ鉄道会社

2007年6月12日(火)

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 東京駅周辺では、槌音が途絶えない。2007年3月、東京駅日本橋口に隣接する35階建ての高層ビル「サピアタワー」が竣工した。延べ床面積は7万9000平方メートル。中層部にはオフィス、高層部にはホテルメトロポリタン丸の内が5月から営業を始めている。

 さらにこの10月には八重洲口の「グラントウキョウ ノースタワー」(第1期)が竣工、八重洲口と丸の内口を結ぶ改札内に50店の専門店テナントを誘致して延べ床面積1500平方メートルのモール街「グランスタ」が開業する予定だ。2012年春にはグラントウキョウ ノースタワー第2期工事が竣工、こちらには百貨店の入居も予定されている。

 サピアタワーもグラントウキョウ ノースタワーのいずれもJR東日本が運営する商業施設だ。ホテルメトロポリタンの一室で開かれたJR東日本の決算説明会の席上、谷哲二郎副社長は満面の笑みで語り始めた。「1987年の国鉄分割民営化から20年となる節目の年、いい決算で終えられた」と。

 業績を見れば、その笑顔もむべなるかな、連結ベースの売上高、経常利益はともに過去最高、単体でも過去最高益という好決算だ。鉄道事業者である同社の経営環境は、決して明るいものではない。少子高齢化、人口の自然減、団塊世代の退職による通勤定期客の減少など、輸送人員の総数は減ることはあっても増えることはない。新線の開発案件もない。

 にもかかわらず谷副社長の表情に曇りが見られないのは、「輸送人員減」という現実を織り込んだうえで、経営戦略を立案しているからだ。東京駅周辺で途絶えることなく響く槌音こそ、その表れにほかならない。

 そのJR東日本の経営戦略を一言で言えば、「本業」である運輸事業を「維持」しながら、「副業」である生活サービス事業で売り上げを拡大する、というもの。その両輪がうまく回転した結果の業績好調、と言える。

本業は成長よりも「維持」

 同社の事業の2本柱は、鉄道・バスなどの「運輸事業」と、商業施設やオフィスを開発・運営するデベロッパー業、物販事業などを含めた「生活サービス事業」。両セグメントともに前年を売上高、営業利益ともに上回っている。

 まず「本業」を見てみよう。運輸事業はバブル崩壊後しばらく苦戦が続いていたが、2004年に1兆6000億円と底を打ってから2005年に回復に転じ、2006年に1兆7000億円の大台を9年ぶりに回復。2007年3月期も続伸した。

 人口減時代に運輸事業の業績を落とさずに維持するためにJR東日本が打つ手は大きく分けて3つ。

 1つは、都市間移動の中距離列車で特急券やグリーン券などの販売を伸ばすことで、乗客1人当たりの売り上げを向上させ、利益率を高めること。2005年に常磐線にグリーン車を導入、2006年には宇都宮線、高崎線にグリーン車を増結した。首都圏の中距離主要幹線では、ほぼグリーン車の導入が完了した。

 もう1つは、都市圏の近距離路線で、既存路線を相互乗り入れや接続路線の新設によって有機的に結び直し、価値を高めること。山手線に並走する貨物線を利用して東海道線と埼京線を結ぶことで、湘南から渋谷、新宿、池袋と副都心を経由して埼玉方面までを結ぶ「湘南新宿ライン」が好例だろう。

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「JR東日本」の著者

池田 信太朗

池田 信太朗(いけだ・しんたろう)

日経ビジネスオンライン編集長

2000年に日経BP入社。2006年から『日経ビジネス』記者として、主に流通業界の取材に当たる。2012年『日経ビジネスDigital』のサービスを立ち上げて初代編集長、2012年9月から香港支局特派員、2015年1月から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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