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「鳴くまで待つ」したたか買収

ビクター売却先に再浮上したケンウッド

  • 中島 募, 大竹 剛

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2007年6月19日(火)

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 松下電器産業の子会社、日本ビクターの売却交渉が迷走している。3月に米投資ファンドTPG(旧テキサス・パシフィック・グループ)が優先交渉権を得て松下と交渉してきたが、6月9日に決裂。代わりに半年前に破談になったケンウッドが再浮上した。

 「もう忘れかけていたことですよ。ビクターのことは。でも、(松下が)戻ってきてくださったことについては諸手を挙げて歓迎です」。6月9日夜、ケンウッド首脳はこうつぶやいた。

V字回復したが前期に失速

 ケンウッドの2007年3月期の連結売上高は前の期比7.9%減の1692億円、最終利益は74%減の16億円。業績低迷を打破する唯一の方法が、ビクター買収をはじめとするM&A(企業の合併・買収)戦略である。

 「今のままではどうにもならない。業界再編で専業メーカー同士が手を組まないと大手に対抗できない」

 東芝出身で、米投資ファンドのリップルウッド・ホールディングス(現RHJインターナショナル)から指名されて音響メーカーであるデノンの再建に携わった経験がある河原春郎社長は、日頃から周囲にこう話していた。

M&Aに専念できる体制に

 河原氏は2002年6月、社長に就任。メーンバンクのあさひ銀行(現りそな銀行)に対する債務の株式化と、米スパークス・アセット・マネジメント投信らを引き受け手とする第三者割当増資によって170億円あった債務超過を解消。ケンウッドを死の淵から救った。グループ人員の5割弱に相当する約4000人を削減し携帯電話事業から撤退、海外3工場の閉鎖などリストラを断行しV字回復を果たした。「日本人のカルロス・ゴーン」とも称された。

 だが、その勢いも今や失速。経営資源を集中してきたカーナビなどのカーエレクトロニクス事業が営業赤字に転落し、オーディオ事業の赤字も拡大。唯一の増益がトランシーバーなどの無線機器事業だった。5月には無線事業強化のために米ジートロンを約80億円で買収したが、なおカーエレとオーディオの強化が課題となっている。

 「まだ終わってはいない」

 優先交渉権を得るための入札を見送った河原社長の胸中には、ビクター買収への熱意がくすぶり続けていた。ダイエーの筆頭株主になった丸紅が結局はイオンに支援を求めたように、ファンドがビクターを買収しても再建パートナーとしてケンウッドに白羽の矢が立つと読んでいたのかもしれない。「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」という構えとも言える。

河原春郎社長塩畑一男取締役

6月末の株主総会で河原春郎社長(左)は会長となり塩畑一男取締役(右)が社長に昇格する

 実際、河原社長は「M&Aは重複が多いとリストラが進むが、ビクターとケンウッドは重複が少なく大きなシナジーが期待できる。一番面白い組み合わせだ」と周辺に漏らしていた。

 社内でも買収に向けた準備が進んだ。5月15日、河原社長が6月末に会長に就任する人事を発表。M&A戦略などに専念できる体制を整えた。M&Aの資金も、主要金融機関と300億円のコミットメントライン契約を結ぶなど500億円弱を確保した。

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