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どうした! 「骨太方針」

マニフェストを侮る者はマニフェストに泣く

  • 水野 博泰

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2007年6月22日(金)

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 安倍政権として初めての経済財政運営の基本方針、いわゆる「骨太方針2007」が6月19日に閣議決定された。正式名称は「経済財政改革の基本方針~『美しい国』へのシナリオ~」…。しかし、“骨太”とは名ばかりで“小骨”の寄せ集めとの批判もある。マニフェスト(政権公約)運動を推進している前三重県知事の北川正恭・早稲田大学大学院教授に、“安倍マニフェスト”を評価してもらった。(聞き手は、日経ビジネス オンライン副編集長=水野 博泰)

マニフェスト運動を推進する北川正恭氏

NBO 「骨太方針」は安倍政権のマニフェスト(政権公約)と言えるものですが、今回は省庁の報告書をまとめたような総花的内容で力強さがないという批判があります。

北川 確かに、「前向きに検討する」とか「将来の課題として検討する」とか役所の文書みたいな内容が多くて物足りない。“骨太”と銘打つのなら、「断固やる」という決意とか情熱、覚悟、数値つきの具体策を示してほしいところだが、残念ながらそういうものが感じられなかった。

マニフェストの基本は「脱官僚」

 マニフェストというのは、政策の大転換をやる時の道具なんですよ。期限を切り、財源を示し、具体的な数値目標を掲げる。基本は「脱官僚」であり、「政治主導」があるべき姿です。各省庁のバランスなんかを取っていたら政治主導にならない。

 安倍さんは「戦後レジュームからの脱却」「美しい国」「国民投票法案」と言っていますが、実はマニフェストしてないんですよ。自民党の総裁選というインナーな世界の中で安倍さんが一方的に言っているだけで、国民からすれば勝手なこと言わないでくれ、いつ国民の信認を問うたのか、小泉さんの路線を引き継いだだけでしょということになる。

NBO 国民を納得させる本当の意味での“骨太方針”を取りまとめられないのなら、経済財政諮問会議の存在価値はないように思います。

北川 何か大きなことを成し遂げるためには、理念や情熱に加えて、具体的に実行するための執行体制とかマネジメントが必要です。小泉さんはそのために経済財政諮問会議を中心にぐわんと回して、「行けー!」という体制を固めました。安倍政権になったら、「教育再生会議」とか類似のものがたくさんできて諮問会議の存在感が薄れたという感は否めない。

NBO 骨太方針とは別に、参院選に向けた自民党のマニフェストも検討されていますが、「戦後レジュームからの脱却」では選挙に勝てないという声が党内から上がっているとか。

マニフェストを制する者は参院選を制する

北川 内閣のマニフェストと政党のマニフェストを1つのベクトルに合わせることが国のトップリーダーである内閣総理大臣の仕事だと思います。それが回った時、選挙で圧勝するんですよ。宮崎県の東国原さんはまさにそうですよね。タレントだと思っていたら、マニフェストがしっかりしていた。説明の仕方もうまかった。有権者が「ええっ」と驚いてぐわーんと動いた。

 有権者へのアンケート調査で「あなたはこの選挙、何で選びましたか」と聞くと、第1位は「マニフェスト」なんですよ。地縁・血縁という従来型の回答は既に2位、3位に落ちているんです。「この政策のためにあの政府予算はカットして断固実現する」という、決断のすごさに有権者が感動して票が入ってくるんです。

 本来、マニフェストは政党が書くべきです。自民党も民主党もやっとシンクタンクを作り始めましたが、まだ100%機能していない。今までも政党は「政策こそ命だ」と言っていたけどあれはウソ。団体組織対策が政党の仕事だった。放っておいても右肩上がりで経済が成長していく中で、右か左かのイデオロギー論争で済んでいた。

 しかし、グローバル化が進んで状況は激変した。ところが、それぞれの政党がアイデンティティーを競い合うことに乗り遅れたために、政党に失望した有権者たちが無党派層を形成してしまった。無党派が増えたのは政党の責任ですよ。大反省しなければいけません。

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