「時流超流」

「三菱ジェット」正念場

エアショーで航空会社に必死のアピール

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2007年6月20日(水)

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 三菱重工業が手がける国産初のジェット旅客機「MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)」の開発プロジェクトが正念場を迎えている。

立ちはだかる「3つの壁」

国産初のジェット旅客機「MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)」
エアショー出展予定の客席模型

エアショー出展予定の客席模型。薄型シートを開発し、他社機に比べて座席空間を広げた

 三菱重工は6月18日にパリで開幕する国際航空ショー(エアショー)にMRJの客席の実物大模型を出展する。世界の航空関連メーカーが技術や製品をアピールするエアショーで、MRJに対するエアライン各社の反応を探り、今年度末をメドに事業化の可否を決定する。エアショーでの評価いかんによってはプロジェクトを中止する可能性もある。

 国産プロペラ機「YS-11」が昨年秋に引退したことで、「日の丸ジェット」の実現は官民を挙げた悲願となっている。航空畑出身の西岡喬・三菱重工会長がこの4月、「2期4年」という在任期間の不文律を破って留任したことにも、MRJに対する同社の強い思い入れがにじむ。ただ、MRJの開発費は約1200億円にも上り、350〜400機が売れなければ元が取れないと予測されるだけに、事業化の決断は慎重にならざるを得ない。

 三菱重工のある首脳は「事業化には3つの大きな課題がある」と打ち明ける。その3つの課題とは「国内での数十機から100機程度の先行受注の確保」「機体保険料の負担削減」と「国による支援獲得」。これらは航空機の新規開発にほぼ共通する課題だが、三菱重工にとっては、中でも先行受注の確保が頭の痛い問題となっている。

需要急増が見込まれるが…

 航空機の開発には莫大な開発費がかかるため、メーカーは完成前にエアライン各社からある程度の注文を取る。日本航空機開発協会によると、MRJクラス(70〜90席程度)の中・小型機の新規需要は、2026年には世界で4899機に拡大するという。三菱重工としては、まず国内販売で信頼を勝ち取り、その追い風に乗りたいところだが、肝心の日本の市場環境は厳しい。

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著者プロフィール

白壁 達久(しらかべ・たつひさ)

日経ビジネス記者。日経BP社入社後、日経ビジネス編集部に配属。翌年日経ビジネスアソシエ編集部へ移り、若手ビジネスパーソン向け経済情報を取材・執筆する。2007年から再び日経ビジネス編集部へ。重工、中堅・中小企業を担当。近年は第一次産業や人材業界に関する取材にも注力する。趣味は幼少期から続く宝塚歌劇鑑賞(月2回の観劇はマスト)と、ハマってから6年目になる阿波踊り。今年も徳島と東京・高円寺で踊る予定。



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