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エーザイ

笛吹けども株価は踊らず

2007年6月21日(木)

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 エーザイの株価が冴えない。今年1月18日には6670円と10年来高値を付けたが、その後の株価は右肩上がりの業績とは裏腹に下げ止まらない。

 5月12日に主力薬の抗潰瘍剤「パリエット」(米国名「アシフェックス」)の特許訴訟で有利な判決が出され、株価は一時持ち直したものの、その後、だらだらと下げ続け、6月12日の株価は5370円と今年のピークから2割も下がった。半年前までエーザイの連結予想株価収益率(PER)は業界でもトップクラスだったが、今や約22倍と業界平均とさほど変わらなくなってしまった。

主力薬が経営リスクに

 足元の業績は“絶好調”と言っても過言ではない。連結売上高は8期連続で最高を更新し、2007年3月期は6741億円となった(前期比12%増)。営業利益は1053億円に到達し、初めて1000億円の大台に乗せた。製薬企業にとって生命線である研究開発費も、初めて1000億円の大台を超えた。

 2008年3月期は1083億円で、今期はさらに17.2%増やして1240億円を見込んでいる。2007年3月期の決算発表に臨んだ内藤晴夫社長は研究開発費の増加について「後期臨床試験が拡大している証拠であり、大変前向きな資金の投入だ」と胸を張った。

 業績が良くて、研究開発にも積極的。IR(投資家向け広報)活動も投資家から高い評価を得ているエーザイは、今年の株主総会では製本した招集通知を配布したことでも話題となった。にもかかわらず株価が下落しているのは、市場がエーザイの将来を不安視しているからだ。最大の要因は、これまでエーザイの成長を支えてきた2つの主力薬の特許切れが迫ってきていることだ。

 パリエットとアルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」は、今や連結売り上げの6割を占めるエーザイの大黒柱だ。皮肉にも、この2大主力薬が世界中で売れまくるほど将来の業績に与えるリスクが高まっている。主力薬の特許切れは、製薬企業の宿命だ。欧米では医薬品の特許が切れると、同じ成分の後発医薬品(ジェネリック医薬品)に市場を奪われ、売り上げが激減してしまう。後発薬の普及が進まなかった日本でも、医療費の削減を進めたい財務省などが半ば強制的に後発薬の使用を促そうとしている。

 エーザイでは、2010年からアリセプトとパリエットの特許切れが始まる。それまでに2製品に代わる高収益薬を開発できなければ、売り上げの急減は避けられない。主力品の特許切れにエーザイも手をこまぬいているわけではない。むしろ、研究開発、販売、製造の各分野で精力的な取り組みが目立つ。

バイオベンチャーも買収

 研究開発分野では、20年前から取り組んできたガン領域で成果が表れ始めてきた。ガン組織を兵糧攻めにする薬剤「E7389」は、乳ガンを対象にした臨床試験が終了し、今年度中にも米国で販売認可が得られる見込みだ。患者数が多い前立腺ガンや非小細胞肺ガンでも開発が進められており、「抗ガン剤を重点領域に育てようとしているエーザイの取り組みはもっと評価されていい」とみずほ証券エクイティ調査部の田中洋シニアアナリストは指摘する。

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「エーザイ」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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