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東京電力

不祥事でも市場からは高い評価

2007年6月25日(月)

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 原子力発電所の臨界事故隠しやデータ改ざんなど、過去の不正が相次いで発覚した電力業界。“盟主”の東京電力9501も例外ではなく、4月20日には経済産業省原子力安全・保安院から、保安規定の変更命令などの行政処分を受けた。

市場の評価は高値安定

 しかし、市場はこの事態に動じていないようだ。東電の株価は2006年1月から1年間で約3割上昇し、不祥事が発覚した後も依然として4000円前後の高値を保っている。

 その背景にあるのは、行政処分の内容だ。原子力安全・保安院は、1978年に起きた福島第一原発3号機の臨界事故などを「法令に抵触し安全に影響があった」と認定したが、原発の運転停止命令などの厳しい処分は見送った。2002年の東電のトラブル隠し問題では、保安院は福島第一原発に1年間の運転停止命令を下した。これに比べれば甘い処分と言える。

 2002年には原発が全面的に停止したことで業績が悪化し、株価は2002年11月に、10年来安値の2005円を付けるまで売り込まれた。今回の処分では、株価は前回とは違い堅調に推移しているのは、市場が今回の一連の不祥事を「シリアスな問題ではないと冷静に見ている」(みずほ証券の角田樹哉シニアアナリスト)ことの表れだ。

 業績も堅調だ。2007年3月期の売上高は前期比0.5%増の5兆2830億円、経常利益は同3.4%増の4412億円となった。原油高と円安による「燃料費調整」で販売単価が上昇。記録的な暖冬により販売電力量が前期比0.4%減の2876億キロワット時に減ったが、販売単価上昇がそれを補った格好だ。燃料費の増加も、減価償却費の減少がカバーした。

 2008年3月期は、税制改正に伴う減価償却費の増加などで経常減益の見通し。しかし、年金制度の変更に伴う特別利益が1000億円程度発生することで、純利益は増加すると見込む。

原油高が追い風に

 高止まりする原油価格が、東電にとって一種の追い風になっている面もある。2000年の電力自由化によって登場した新規電力事業者が、相次いで撤退や事業の縮小に追い込まれているからだ。東電ではこれまで、2100件以上の顧客が新規電力事業者に奪われたが、このペースが鈍りつつある。そのうえ、新規業者の中には撤退や不振が続く。

 出光興産5019は4月に電力小売り事業から撤退し、三菱商事8058の子会社であるPPS(特定規模電気事業者)、ダイヤモンドパワーも赤字体質から抜け出せない。三菱商事の2007年3月期決算によると、当期純損失が前期の6億円から22億円に拡大した。

 あるPPS幹部は「1バレル60ドルという原油価格の水準では、原材料費が膨らみ完全に逆ざや。電力会社から買った方が安い」と漏らす。いずれのPPSも、原油高の直撃を受ける火力発電が主体だからだ。原子力や水力など、割安な電源を組み合わせて利用できる電力会社にコスト面で対抗できない状況が続いている。

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「東京電力」の著者

小笠原 啓

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

早稲田大学政治経済学部卒業後、1998年に日経BP社入社。「日経ネットナビ」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」の各編集部を経て、2014年9月から現職。製造業を軸に取材活動中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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