• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

投資信託、本当に儲かってますか?

ブームの波に乗る前に「手数料」について考えよう

  • 竹中 正治

バックナンバー

2007年6月25日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 投資信託がブームである。バブル崩壊ですっかり投資家の関心が薄れていたが、2003年以降人気を急回復している。過去4年間で残高は43兆4000億円増加し、2007年5月末時点の残高は78兆4000億円に達した。新聞紙面に投資信託の記事が載らない日はない。

 ブームに水を差す気はない。だが、あえて日本の投資家に警鐘を鳴らしたい。我々消費者は優れた機能や高い品質に対して多くの対価を払う。ほかの商品よりも劣っていることが明らかなのにわざわざ高いカネを払うようなことは馬鹿げている。ところが、投資信託ではそうしたことが実際に起こっているのだ。

外資参入、銀行窓販の解禁、ネット普及でブームに火がついた

 本題に入る前に、簡単におさらいをしておこう。

 家計の「貯蓄から投資へ」というトレンドを代表する投資商品に公募投資信託が躍り出たのは、次のような背景がある。

(1)1990年以降、投信への外資系の参入が自由化された
(2)98年12月から銀行窓口での投資信託が解禁された
  (現在、投信残高の半分近くは銀行経由で販売されたものである)
(3)インターネットの普及で多数の投資信託の実績(投資リターン)や手数料が簡単に比較できるようになった

 これらの変化は、いずれも投信の投資商品としての透明性を増し、競争環境の改善や効率化をもたらした。投信には小口・中口の個人投資家でもリスク分散された投資ポートフォリオを購入できるという利点がある。

 マクロ経済・金融の視点からは、投信の拡大は資本市場を拡大・活性化し、銀行預金と貸し出しにマネーが偏在している日本の金融システムを改善する効果が期待できる。私は日本で投信が成長・拡大することを期待している。

手数料を含めたネットリターン比較で見えてくる「不都合な事実」

 では、問題は何か。それは高い「手数料」を取る投信商品が必ずしも高い投資リターンに結びついていないという事実である。

 投信の手数料には2種類ある。1つは、販売時と解約時の手数料である。もう1つは、信託報酬と監査報酬であり、これらは運用金額に応じて年率でかかる。

 そして株式投信の場合、日経平均やTOPIX(東証株価指数)など特定の株式市場指標(インデックス)に連動する「インデックス型投信」と、連動しない「非インデックス型投信」に大別できる。インデックス型投信では、運用会社はファンドに組み込む投資銘柄の判断・選定をしないので手数料が安い。一方の非インデックス型は運用会社のファンドマネジャーによる調査、判断、選定の作業が加わるという理由から手数料は高く設定されている。

 それを頭に入れたうえで、図表1をご覧いただきたい。国内株式を対象にした純資産規模100億円以上、運用実績5年以上の公募投信106銘柄を投信評価・情報会社のモーニングスターのウェブサイトで検索し、5年間のグロス投資利回り(年率)と総手数料(年率換算)を筆者が分布図にしたものである。投資リターンには期間中の配当も反映されている。また、販売・解約時手数料は5で割って年率換算した。

 横軸の手数料で見ると、手数料が1%前後に分布するファンドと2%台に分布するファンドがあり、垂直軸の投資リターンの分布は「ふたこぶラクダ」のような形をしている。さらに年率手数料2%未満の低コスト投信と2%以上の高コスト投信に分けて、両者の平均グロスリターン、年率換算手数料、ネットリターンを示したのがグラフ下段の表である。

手数料が安い投信の方がリターンが大きい!

 これによると、投信の平均グロス投資利回り「10.62%」は、なんとTOPIXのリターン「11.8%」(対象期間:2002年6月20日~2007年6月20日)よりも低いのである。

 これでは投信を購入する投資家は一体何のために高い手数料を払っているのか分からない。国内株の投信などを買うよりも、TOPIXのETF(Exchange Traded Fund)を買った方がましである。ETFとは、日経平均やTOPIXに価格が連動するように株式銘柄をパッケージにして上場されている銘柄である。

コメント10

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

韓国がダメでも、日本なら技術を見る「目」が投資家にあるはずだ。

崔 元根 ダブル・スコープ社長