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半導体再編への秒読み開始

AII報告(2):業界リーダーが語る日本の限界と可能性

  • 水野 博泰

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2007年6月27日(水)

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「Asia Innovation Initiative(AII)」

パネルディスカッション「アジアの半導体事業の再編」の模様

出井伸之氏が率いるクオンタムリープ、スイスのスマジャ&アソシエイツ、フォルマの共催による「Asia Innovation Initiative(AII)」が6月6~7日、ホテルオークラ福岡で開催された。前編「東アジア経済圏が九州を救う」に続き、後編では「アジアの半導体事業の再編」と題したパネルディスカッションの模様をお伝えする(関連記事:「日の丸半導体、再生への最後の選択」)。出席者は以下の通り。

■パネリスト

長澤 紘一氏: ルネサステクノロジ相談役(前会長兼CEO)
山口 純史氏: NECエレクトロニクス取締役執行役員常務
真鍋 研司氏: ソニー コーポレート・エグゼクティブ エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
         半導体事業本部副本部長
古山 透氏:  東芝セミコンダクター社 半導体研究開発センター センター長
金澤 洋平氏: 日興シティグループ証券 株式調査本部 ディレクター

■モデレータ

佐藤 文昭氏: ドイツ証券マネージング・ディレクター 調査部長(6月20日付けで退任)

総合電機的な体質との決別がカギ
長澤 紘一氏:ルネサステクノロジ相談役(前会長兼CEO)

長澤 1970年に三菱電機に入社して以来、メモリー、特にDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)のエンジニア、ミドルマネジメントとして、この事業の成功も失敗も経験してきた。90年代に入ってマイコンにも携わり、97年から三菱電機の半導体を引っ張ってきた。

 だが、総合電機メーカーが半導体を手がけるのは発展性に限界があると考え、日立製作所と手を組んでルネサステクノロジを作った。

 日本の半導体産業を活性化させて、20%近くまで落ち込んでしまった世界シェアを少なくとも30%に持っていくためには、大きく3つの課題がある。

 1つは「製品の方向性」である。日本は平均的に高い実力を持ったエンジニアが揃っているのだから、すり合わせ型の製品をキャッシュカウとして強くしていくのが基本だ。そのうえで、プラットフォーム的ビジネス、ASSP的ビジネス(ASSP:Application Specific Standard Product、特定分野を対象とした汎用LSI)にもっと力を入れるべきだ。そのためには、社内リソースのシフト、選択と集中はもとより、提携や買収のほか、競合関係にある企業とさえ補完関係の構築を強力に進めなければならない。

 2つ目は、「収益率の向上」である。日本の半導体メーカーは、粗利では海外メーカーと差がない。ところが、いろんなところでお金を使い、結果として15~20%のコスト差が出ている。総合電機メーカー的な体質が根強く残っている。半導体はグローバルな産業であり、日本固有のやり方はもう通用しない。非常に“贅沢な”技術開発へのこだわりや、重い組織、多すぎる拠点がコストアップ要因になっている。資金調達は様々な方法でできるようになったが、収益率を上げなければ思い切った投資や方向転換はできない。

 3つ目は新興市場の開拓である。日本はここが弱い。日本というある程度の規模の市場に依存している。日本の商習慣は欧米を基準に作られたものであり、欧米なら通用するが、中国をはじめとする新興市場ではうまく回っていない。

 現在、これら3つの課題がからみ合っている。1つを解決すればいいというものではない。日本は技術者の質と量、技術力の高さと蓄積といった産業のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)はしっかりしている。各社のトップは一生懸命改革を進めている。うまくやれば、2~3年後には明るい話題が出てくるだろう。

 日本も「共同ファブ」を作るべきだという新聞記事がよく載るが、ファウンドリー(受託生産会社)はサービス事業であり、IDM(垂直統合型半導体メーカー)はソリューション事業であり、これらは両立しない。例えばルネサス何%、NEC何%、東芝何%で共同ファブを作れば、ある程度の仕事は来るだろうが、不特定多数からたくさん来るような成功はしないと思う。台湾のTSMC(台湾積体電路製造)やUMC(聯華電子)が長い時間をかけて培ってきたサービスの仕方を簡単に凌駕できるとは思えない。

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