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再考グローバリズム~日本の選択肢(1)

目を覚ませニッポン、変わる世界の現実を見よ

  • 水野 博泰

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2007年6月28日(木)

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仏INSEAD(欧州経営大学院)のW・チャン・キム教授は、既存産業の枠組みを超えた未知の領域に作り出される競争のない新市場を「ブルー・オーシャン」と定義し、境界線が確定した既存市場「レッド・オーシャン」から漕ぎ出すことが持続的成長の絶対条件になると主張する。グローバリズムの構造転換に翻弄される日本にはどのような選択肢が残されているのかを聞いた。(聞き手は、日経ビジネス オンライン副編集長=水野 博泰)

仏INSEADのW・チャン・キム教授
(写真:陶山 勉)

NBO グローバル・スタンダード(世界標準)とはアメリカン・スタンダード(米国標準)であると言われる時代が長く続きました。しかし、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)のような新興国が急成長し、GDP(国内総生産)や人口の分布が地球規模で激変することによって、グローバリズムの中身が質的に変わりつつあるのではないでしょうか。

キム 同感です。グローバル・スタンダードはもはやアメリカン・スタンダードと同義ではありません。ジャパニーズ・スタンダードでもない。今、中国やインドから新しいスタンダードが生まれようとしているからです。

 最近、米シティバンクが1万7000人規模の人員削減に踏み切りました。彼らは金融経済の世界で差異化を実現しましたが、常にコストの圧迫にさらされています。企業がコストを削減する方法には大きく2つあります。1つはアウトソーシング──中国などへ仕事を出すことです。もう1つは人員削減です。シティバンクは人員削減によるコスト削減を試みましたが、いつまで続けられるでしょうか。どうすれば、中国のようなライバルとコスト面で競争できるでしょうか。これは米国が直面している最大の課題です。

 中国は反対の課題を抱えています。中国は低いコスト構造を持っていますが、製品やサービスの差異化を実現できていません。そのためにやっていることは企業の買収です。例えばレノボは米IBMのパソコン部門を買収しました。南京汽車集団は英国のMGローバーを買収しました。中国やインドは、“低コスト”を唯一の強みとして出発し、次の段階として既に差異化した世界企業を買収することによって自らの差異化を実現しようとしているのです。

 こうした2つのスタンダードがぶつかり合って、主導権を巡る激しい闘いを繰り広げているのです。

これは新しいグローバル・スタンダードを創り出すゲームだ

 未来の勝者は、差異化と低コストを同時に実現する者です。中国が成し遂げるでしょうか、それとも米国が力を持ち続けるでしょうか。あるいは、日本がそこに割って入るのでしょうか。

 はっきりしているのは、境界線が確定した既存市場、つまり「レッド・オーシャン」にとどまって、ライバルの足を引っ張ったり、わずかな市場シェアを獲得しようと血みどろの消耗戦に明け暮れているだけでは、どんなに頑張っても勝者にはなれないということです。グローバル・スタンダードという大きな枠組みが変わる時だからこそ、既存産業の枠組みを超えた未知の領域、「ブルー・オーシャン」に漕ぎ出さなければならないのです。

 ブルー・オーシャン戦略は新しいグローバル・スタンダードを創り出すゲームです。ゲームの勝者は、差異化と低コストの両方を最初に実現した者です。そして、どの国が21世紀の経済的な超大国になるかが決まります。

NBO BRICsのような急成長中の新市場というのは、その存在自体がブルー・オーシャン的であり、市場拡大の自律的なサイクルに入っている。それに対して日本は、長年にわたって経済的な基盤が固まってしまっている。まともに戦えるのでしょうか。

キム 新興国とは何でしょうか。新興市場を単純にブルー・オーシャンと呼ぶことはできません。一部の市場は非常に血なまぐさいレッド・オーシャンです。例えば中国やインドのエレクトロニクス市場は競争が非常に激化しています。既に供給が需要を上回ろうとしています。つまり、レッド・オーシャンとブルー・オーシャンが混在しています。

 日本でも同様の状況が見られます。ブルー・オーシャンもあればレッド・オーシャンもある。両方が混ざったところで勝負しなければならないのです。新興国と日本との間には、それほど大きな構造的な違いはありません。ですから、課題は似通っています。

 もちろん、新興国は低コストの労働力を持っています。労働コストの高い日本は複雑で高度で洗練されたゲームに取り組む必要があります。単独で対処できなければ、創造的な関係作りに踏み切らなければならないのは当然です。

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