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TOTO

度重なる「利益下ぶれ」で市場の信頼損なう

  • 谷川 博

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2007年6月29日(金)

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 TOTOの株価が軟調だ。2月23日に1325円の年初来高値をつけた後はジリジリと値を下げ、6月8日には1031円の年初来安値を記録。その後は多少、値を戻したものの、基本的に1000円台後半でもみ合う展開が続いている。

 2008年3月期の連結業績予想を発表、経常利益300億円(前期比18.8%増)の「2ケタ増益」、2009年3月期には連結経常利益が350億円(前期比16.6%増)と19年ぶりに最高益を更新する見通しだ。足元の懸念材料では、利益率の高い温水洗浄便座(ウォシュレット)一体型便器の発煙・発火事故による業績への影響も、2007年3月期に21億円の特別損失を計上済みで、今のところ新たな費用負担が生じる見込みはないという。

 こうした状況でも、株価軟調な背景には、主要原材料である銅の価格上昇に伴う「利益下ぶれ」に対する警戒感が強まっていることのほか、会社の増益予想を懐疑的に見ざるを得ない状況があるからだ。このところ、会社予想を下回る決算が続いている。

増益予想に投資家は懐疑的

 2007年3月期連結決算では経常利益を、期初予想では前期比31.7%増の300億円と大幅増益を示したが、2006年10月末の中間決算発表時には270億円に下方修正。結果は前期比10.9%増の252億円となった。前期比で2割減の大幅減益となった2006年3月期と比べれば、収益性は改善されたとは言えるが、期初予想より15.8%下回る結果だった。

 2006年3月期も似たような経緯をたどった。業績予想の下方修正を繰り返し、通期決算では経常利益が期初予想を大きく下回った。いわば前期の業績予想で、“前科2犯”。市場関係者の間では「今期も計画未達となったら、今度こそ投資家の信頼を完全に失うだろう」といった厳しい見方も出ている。最近の株価軟調の背景には、会社に対する投資家の信頼が低下していることもあるようだ。

収益構造に課題ある

 度重なる利益の下ぶれは、かねて会社が強調してきたように、銅や樹脂など原材料価格の急騰がその背景にある。一方で、会社は原材料の高騰によるコストの増加をカバーするために、2006年7月と2007年2月に2度にわたって製品の値上げを実施している。住宅設備業界で、年2度の製品値上げは「極めて異例」(業界関係者)と言われている。

 TOTOの値上げの対象は、1度目が売上高構成比34%の製品群で平均値上げ率7%。2度目が同じく30%の製品群で同6%。基本的に1度目と2度目では対象製品を変えているが、銅を使って製造する水栓金具は2度とも値上げを行った。2007年3月期の製品値上げによる増益効果は30億円だった。

 コスト増を吸収するため異例の販売単価の切り上げを実施したのにもかかわらず、2007年3月期の経常利益が中間決算発表時の下方修正予想をも下回った。こうしたことから投資家は、利益の下ぶれは単なる原材料価格の高騰によるものよりも、収益構造に根深い問題が起きているのではないかと注視する。

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