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スピードが夏を制する

猛暑商戦いざ本番 キリン、三菱電機、ローソン…、相次ぎ先手

  • 戸田 顕司, 大竹 剛, 池田 信太朗

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2007年7月2日(月)

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 6月11日、気象庁は猛暑予報を発表、太平洋赤道域の海水温度が低下する「ラニーニャ現象」の発生により、日本列島は猛暑となる可能性が高まっている。「7~9月の気温が1度上昇すると、国内総生産は4400億円押し上げられる」。第一生命経済研究所経済調査部の永濱利廣・主任エコノミストはこう試算する。突然降ってわいた数千億円規模の需要を巡って、企業は夏商戦の戦略転換に動き始めた。

急遽、発売時並みの販促

猛暑の予報を受けて、増産を決めたキリンホールディングス

猛暑の予報を受けて、増産を決めたキリンホールディングス

 猛暑予報の直後、キリンホールディングスはビール類の増産を決めた。予報が出て4日目の6月15日、三宅占二・国内酒類カンパニー社長(現キリンビール社長)は緊急の需給調整会議を開いた。そこで7月の製造計画を見直した。前年同期比5%増の計画を同7%増に上方修正したのだ。休眠中だった名古屋工場の缶製造ラインを再開するなど、体制を整える。

 キリンがとりわけ力を入れるのが、3月に発売した「ザ・ゴールド」だ。ザ・ゴールドは、キリンにとって1990年発売の「一番搾り」以来の大型ビール商品という期待の星だ。猛暑を追い風に期待の星を一気にヒット商品として定着させる動きに出た。

 まず、テレビCMの内容を一新。それまでスーツ姿の俳優が登場していたCMを、強い日差しの下でカジュアルな服装という猛暑を想起させる内容に変更した。6月30日から放映を始めた新CMは、わずか2週間前に撮影したばかり。ぎりぎりのスケジュールでの制作だった。

 CMに続いて、7月13日からは試飲缶150万個を全国の量販店などで配布する。このキャンペーンも猛暑を受けて急遽決定したものだ。

 「第2の山場を作れ」――。キリンでザ・ゴールドに関係する社員の間では、これが合言葉になっている。3月の新発売の時と同規模の広告宣伝をこの夏に展開することが猛暑予報で決定した。新発売時と同じくらいの意気込みで一気にザ・ゴールドを広めようという決意の表れだ。

 ザ・ゴールドは発売から3カ月、決して苦戦しているわけではない。5月末までに年間目標の3割に当たる約267万ケース(1ケースは大瓶20本換算)を出荷、キリンは「売り上げは堅調に推移している」と見ている。

 それでも猛暑に迅速に対応したのは、ザ・ゴールドの固定客を一気に拡大する絶好の機会という判断が働いたからだ。ザ・ゴールドを一番搾りと並ぶ定番商品へと育てるためには、乗り越えなければならないハードルがあった。

 「味は受け入れられている。ただ飲まれる機会が少ない」(マーケティング部の和田徹・新商品開発グループチームリーダー)という問題だった。高級感のあるパッケージが値段の高いプレミアムビールという誤解を招いた結果だった。さらに実際に飲んだことがある人が意外に少ないという調査結果も課題を示していた。ハードルを越えるには、どこかで大々的なキャンペーンが必要となる。ならば猛暑を味方にという決断だった。

 猛暑で創出される需要。突然の大型夏商戦が来るという見通しで先手を打ったのはキリンだけではない。

 猛暑で市場規模が「昨年度の742万台を上回るかもしれない」と各社が口を揃えるエアコン。ここでも松下電器産業、ダイキン工業の2強を追う三菱電機がチャンスととらえている。6月に入ってから他社が容易に追いつけないサービスをチラシで全国的に大々的にアピールし始めた。

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