• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

再考グローバリズム~日本の選択肢(2)

「規模の力」の前にひざまずくだけなのか

  • 水野 博泰

バックナンバー

2007年7月2日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

巨大な変動サイクルに突入したグローバル経済。「規模の力」が既成の枠組みと常識を次々に壊していく。本気で「革新」を起こさなければ、日本はただ沈みゆくのみ──。総合コンサルティング会社アクセンチュアにおける世界全地域の業務を統括するスティーブ・J・ロールダーCOO(最高執行責任者)に、今、世界で何が起きているのかを聞いた。(聞き手は、日経ビジネス オンライン副編集長=水野 博泰)

アクセンチュアのスティーブ・J・ロールダーCOO(最高執行責任者)
(写真:清水 盟貴)

NBO 世界各地を飛び回りながら、どんな変化を体感していますか。

ロールダー 我々が日々見ている変化は、もっと大きな変動サイクルの一部に過ぎないと思います。この変動サイクルは4~5年前から始まりました。

 最初は、コスト効率を追求する大企業によるアウトソーシングや事業の整理統合、合理化という形で始まりました。そして次の段階として、効率向上によって生まれた余裕資源がグローバルな拡張戦略に再投資されているのです。そうした動きは、4~5年前に北米の消費者製品企業から始まり、その後西欧へ広がり、今まさに日本に到達したところです。

 例えば西欧では、欧州連合(EU)が銀行、エネルギー、公益事業などにかかわる中央統制を一部解除したことなどによって、M&A(合併・買収)が活発化しています。また、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国では新興の中産階級を獲得しようとして現地の企業が拡張路線に走っています。これはインドや中国で顕著に見られる現象で、ブラジルやロシアでも出現しつつあります。

「先進国の多国籍企業」と「新興国の現地企業」が激突

 先進国の多国籍企業と新興国の現地企業による拡張路線が同時に起こる現象は、過去にあまり例がありません。これは多国籍企業にとっては大きなプレッシャーとなり、トレンドの加速要因になっています。戦略的なスピードと柔軟さを持たない企業は新しい市場から締め出されてしまうからです。

NBO FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の問題もあります。金融や資源、エネルギーなどを含めて経済と政治の結びつきが非常に複雑に、かつ、ある部分ではかなり密になってきています。

ロールダー 確かに政治が決定を左右し、その国に企業が進出する時期にも影響を及ぼします。例えばインドが公開市場政策を取って自由競争貿易を認めれば、その地域に消費者製品会社が進出するのは自然な流れです。中国には知的財産権やガバナンスの問題でまだ食い込むことが難しい産業があります。

 ブラジルはかなり開放されていますが、ロシアはまだ政治的検討課題を明確にしようとしているところです。BRICs諸国のうち、すべての産業にわたって企業が進出できるよう積極政策を取っているのはブラジルとインドで、その次が中国です。ロシアについては、ほとんどの企業は様子見の状態です。

 ここ2~3年、投資という視点で見ると確かに中国向けが多い。しかし、投資する側の企業が中国に集中する戦略を徹底しない限り、投資に対するリターンは非常に小さくなる恐れがあります。中国は成熟するまでにまだまだ時間がかかる市場です。

「規模の力」がグローバル・スタンダードになる

NBO しかも、そうした急成長市場が先進諸国にとって“聞き分け”のいいものだとは限らない。例えば中国では、米マイクロソフトの製品を退けてリナックスを使う、しかも紅旗リナックスという国産ソフトを作ってしまった。インターネット検索にしても、中国でシェアを獲得しているのは米グーグルではなく、国産の百度(バイドゥ)ですしね。

ロールダー その通りです。企業がグローバリゼーションにかかわる決定を下す時には、「政治的な影響」「社会経済面への影響」、そしてもちろん「事業戦略的な影響」の3つを計算に入れます。

 ところが、新興国の一部では、どのような政策を実施すると企業投資を奨励するのか、あるいは阻害するのかについて明確な方針や判断基準が定まっていない。いまだにこの問題と葛藤しているというのが実情です。無防備にもなるし、排他的にもなり得る。

NBO ビジネスの流儀も製品やサービスも含めて、「アメリカン・スタンダード=グローバル・スタンダード」という図式が拒絶される局面が出てきました。

ロールダー 私も同意見です。一般化して“先進国”という言葉を使いますが、過去には先進国がグローバル・スタンダードを定めていました。一部は日本から、一部は英国から、一部は米国からスタンダードが出現しました。

コメント1

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

誰もやらない領域を根気強く続けられるかが成功の秘訣。

田坂 正樹 ピーバンドットコム社長