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株主主権に覚醒、創業家逆襲

業績不振の経営トップ解任で実力行使

  • 馬場 完治, 池田 信太朗, 瀧本 大輔=日経ソリューションビジネス

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2007年7月3日(火)

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 「次の社長はあなたしかいない」と就任を頼んできたその人が解任を要求する、その変心に恨みはないか――。

 スポーツウーマンらしく、はきはき答える元バレーボール選手が一瞬口ごもったのは、こう尋ねた時だった。

 「今の気持ちは、なんとも表現しにくいですね。事業が立ち直ろうとする矢先でした。勝てる自信もあった。しかし、戦うこと自体が突然、許されなくなってしまった…」

 株主総会を2日後に控えた6月25日。大株主でもある創業家から解任要求を突きつけられた婦人下着の訪問販売会社、テン・アローズ(旧シャルレ)社長の三屋裕子氏が語った胸の内である。

 社長に就任したのはちょうど3年前。当時社長だった林宏子氏に「改革してください。あなたならシャルレを任せられる」の文句で口説き落とされた。ダイエーの林文子副会長、三洋電機の野中ともよ元会長に連なる女性トップ登用ブームの火つけ役だった。

創業家が修正動議

 宏子氏は、同社の源流でもある代理店方式の訪問販売というビジネスモデルを抜本的に見直し、再構築することを三屋氏に期待していた。しかし、三屋氏が選んだのはむしろ代理店との結束を強めることで事業の立て直しを図る手法。創業家と雇われ経営者の、考え方とやり方のズレは最初からつきまとっていたという。

 株主総会直前。創業家一族が出した結論が、取締役全員交代の修正動議だった。「3期連続の赤字」や「改革が進まない」点を理由に挙げる創業家。一族が保有する株式は議決権ベースで56%あるため、経営陣に勝ち目はなかった。

 「資本の論理ということで、大株主の意向に従うべきというのは理解できる。でも、やっぱり考えてしまう」

 最後に一息ついて三屋氏は呟いた。

 「スポーツは選手だけのものじゃない。見る人、支える人、すべての人のものでしょう。会社もそうじゃないですか。株主だけのものであっていいはずがありません」

 同じ頃、業種も会社の規模も違うが、似たような「トップ解任劇」が米国であった。経営不振に喘ぐヤフーだ。

 「新しい課題に直面している今、新しいリーダーが必要」。こう言い残しCEO(最高経営責任者)から会長に退いたテリー・セメル氏は、2001年にワーナー・ブラザーズから転身した「プロ経営者」だった。

トップ交代、3人に1人が解雇

 映画大手のCEOを務めた経験を生かし、一時期はヤフーを立て直したが、その後はグーグルにユーザーを奪われ収益も株価も低迷。「業績が振るわないのに報酬はナンバーワン」などと批判も浴び、市場から追い詰められた末の事実上の解任だった。そして経営の経験はない創業者のジェリー・ヤン氏が、後任のCEOに就いた。

日本でも世界でも、解任は増加傾向

 三屋氏、セメル氏のように経営不振を理由に「意図せざる離職」を余儀なくされる事例は、もちろん珍しくない。世界で2006年に交代したCEO(経営トップ)のうち3人に1人が業績不振などを理由に解雇――経営コンサルティング会社、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンのこんな調査結果もある。

 「取締役会との対立によってトップが交代するケースも増えており、背景には取締役会や大株主が戦略策定や将来の業績に対する関与を深めていることがある」(ブーズ・アレン)という。

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