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ディスコ、独自の管理会計手法でV字回復

  • 杉山 泰一

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2007年7月4日(水)

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 切断や研削、研磨など半導体の製造工程で使う精密加工装置を製造するディスコの業績が好調だ。2007年3月期決算で売上高が前年比25.1%増の862億円、経常利益は36.5%増の197億円を記録。経常利益率は実に22.8%にもなる。IT(情報技術)バブルの絶頂にあった2001年3月期の売上高741億円をも上回り、完全にV字回復を遂げた。

 この好業績を支えるのは、2003年4月に導入した独自の経営管理手法「Will(ウィル)会計」。ディスコは1993年に京セラのアメーバ経営を本格導入した。しかしITバブルがはじけた際に過剰在庫を抱え、2002年3月期決算は売上高304億円、経常赤字23億円という散々たる結果。これをきっかけに、10年近く実践していたアメーバ経営を自社流に大幅改訂するプロジェクトをスタートさせて、Will会計手法を編み出したのである。

図版

半導体製造装置メーカーであるディスコの小林嘉男・経営企画本部財務・経営サービスグループ サブリーダー兼経営支援チームリーダー(左)と、内藤敏雄・経営支援チーム主任

 Will会計手法の導入の大きな目的は、需給変化の激しい半導体業界事情により迅速に対応できるようにし、利益率を20%以上に引き上げること。2002年3月期にマイナスだった利益率は、2006年3月期と2007年3月期に20%を突破。見事に目的を成し遂げた。

 Will会計がうまく機能している要因は、10年弱におよぶアメーバ経営の実践経験にあるのは間違いない。「アメーバ経営のおかげで、現場の一人ひとりが経営に当事者意識を持つようになり、売り上げ最大、経費最小、時間最短を目指して日々の仕事に取り組むようになった。特に『時間もコストだ』と意識づけできた点が大きく、繁忙状態に見える部署を手伝うべきか、外部から人を雇うべきかなどシビアに考えられるようになった」と、経営企画本部の小林嘉男・財務・経営サービスグループ サブリーダー兼経営支援チームリーダーは説明する。

採算表の中身を経営実態に近づけた

 アメーバ経営では毎月末に、実績採算表と予定採算表の2つの「家計簿」を各アメーバのリーダーが作成する。実績採算表に当月の実績値を記載することで現状を把握し、予定採算表には現状を踏まえたうえで翌月の目標値を記載する。この作業を毎月繰り返すことで、年度計画の達成を目指す。

 採算表はいわゆる財務諸表とは違う。アメーバ経営は管理会計手法なので、採算表には財務諸表に登場しない「時間当たり採算」などの独自指標が散見される。「会計の知識がなくても数字の意味が簡単に理解できる形にすることによって、全社員に採算意識を持たせたい」という狙いがあるからだ。

 ところがこの特徴がITバブル崩壊後、ディスコの経営陣や幹部を混乱に陥れた。市況があまりに不安定になり在庫調整がうまくいかなくなったため、管理会計上は儲かっているのに、財務会計で見ると損をしていることがあった。その逆の現象もあった。現場から上がってくる日々の管理会計の概算値が現実とかけ離れるケースが増え、経営判断が難しくなったのである。

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