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投資の自由は、侵されないのか

ブルドック対スティールの係争が投げかける問題

  • 谷川 博

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2007年7月4日(水)

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 「当社の製品をご存じないので、株主になることはできません」
 
 あなたがある会社の株式を購入しようとした時、会社からこう言われるのを是とするか非とするか。
 
 もしくは、既に保有している株式を買い増そうとした時に、
 
 「当社をどのように経営していくのか方針を示していただけないと、買い増しはお断りします」
 
 と言われるのを是とするか非とするか。

 舞台を東京高等裁判所に移したブルドックソースと米投資ファンドのスティール・パートナーズの法廷闘争のポイントを分かりやすく表現すると、上記のようになる。例に挙げた「あなた」はスティール・パートナーズ、「当社」はブルドックソースに置き換えられる。

リターンの追求を阻害すれば資本主義の根幹を揺るがす

 「今後の司法判断いかんによっては、株式会社制度、ひいては資本主義の根幹を揺るがしかねない」

 自由主義経済の原理・原則を重視する経済学者、岩田規久男・学習院大学教授はこう語る。ブルドックが今回導入した買収防衛策を認めた東京地裁の決定は、投資家が純粋にリターンを追求するために株式投資をする行為を制限してしまうのではと、岩田教授は危惧する。

 ブルドックとスティールの法廷闘争は、大株主のスティールがブルドック株の全株取得を目指してTOB(株式公開買い付け)を開始したことに対抗するため導入された買収防衛策の是非を巡って繰り広げられている。

 買収防衛策では、ブルドックがスティールを含む全株主に1株につき3個の割合で新株予約権を無償割り当てし、スティール以外の株主は割り当てられた新株予約権を普通株式に転換できるが、スティールに対しては割り当てた新株予約権を1株396円でブルドックが買い取る。

 この防衛策が実行されれば、他の株主は普通株式に転換できる一方で、スティールは持ち株が増えないため、スティールの持ち株比率は減少する。新株予約権は7月10日時点の持ち株比率に応じて割り当てられる予定だ。ブルドックが公表した資料によれば、スティールがTOBを開始した5月18日時点の持ち株比率が変わらない場合、スティールは約23億円の現金を受け取る代わりに、持ち株比率が10.52%から2.86%に低下する。

 TOBで持ち株比率の上昇を目論むスティールは受け入れられないとして、新株予約権の無償割り当て差し止めの仮処分を申請した。

「すべての株主は株式数に応じて平等に扱われる」のが原則

 「日本企業は様々な買収防衛策を導入しているが、名指しで特定の株主を対象にしたものは、恐らくこれが初めて」

 スティール側の代理人を務めるアンダーソン・毛利・友常法律事務所の古田啓昌弁護士は言う。今回の係争で法律上の最大の争点と言えるのが、ブルドックが導入する買収防衛策が昨年5月に施行された会社法で規定している株主平等の原則に違反しないのかという点だ。

コメント27件コメント/レビュー

この記事では判決の影響を懸念しているが、実際問題として今回の一連の買収騒動でスティールなどが株主提案していた「2~数倍にわたる増配」について果たしてそれが正当なものだったのかという疑問がある。増配が会社の経営を鑑みた場合に許容できる範囲内だったのか、そうでなかったのかの報道や専門家の意見が全く聞かれない。そういったところがはっきりしていないのに、今回のスティールの行動に非がないとは言えないと思う。(2007/07/19)

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この記事では判決の影響を懸念しているが、実際問題として今回の一連の買収騒動でスティールなどが株主提案していた「2~数倍にわたる増配」について果たしてそれが正当なものだったのかという疑問がある。増配が会社の経営を鑑みた場合に許容できる範囲内だったのか、そうでなかったのかの報道や専門家の意見が全く聞かれない。そういったところがはっきりしていないのに、今回のスティールの行動に非がないとは言えないと思う。(2007/07/19)

先ず企業があり、それぞれに経営理念と目標がある。理念と目標に共感して出資するのが本来の株主である。勿論、利益も期待する。理念と目的に共感できない、期待した利益が得られなければ、株を保有する必要はなく、売ればよい。経営には資金が必要であり、株式市場は経済活動の血液を流す循環器官であって正常に機能することによって経済は持続的に発展する。企業に投資する本来の意義を忘れて短期の利益追求した売買を繰り返すことは正常な機能とは言えない。マネーゲームに奔走する投資ファンドは無秩序に増幅する経済の癌でしかない。資本主義に変わるものは無いが、行き過ぎた市場原理に神の手はない。市場原理を絶対的なものとするエコノミストは市場の動きが非線形であり、活動の数量と速度が増大すると収束せずにカオスになることを知ってか知らずか、大きく変動する市場で利ざやを稼ぐことに熱心であり、利ざやを稼ぐ方法を研究する経済学は要らない。カオスと癌を抑制するバランスのとれた経済を実現する経済学は夢でしょうか。(2007/07/11)

会社は誰の為にあるか?株主単独、従業員単独、経営者単独、地域社会単独ではないと思います。違法(ミートホウプ)でない限り、1、経営者(創業当初は当然のことながら、事業利益)の利  益。生活していかなければ、事業の発展は当然ありえな  い。2従業員の利益。 労働の対価として、自己の生活基盤の確保。3株式公開後は、当然パブリック性を考慮されるので、株主 への配慮。資金は、市場から獲得されるからです。4社会的還元。 これが最終目的。 自己の貢献が、自己にも、結果的に利益をもたらす。 そうであれば、過剰な栄養摂取(例えば今流行のメタ   ボ)が、自己に刃を向けてくることの怖さと同様に判断さ れる。5社会的公平。 ノベリティオブリッジを鑑みないのが、今の、高級官僚、 自民党、労働団体高級役員。上からモノを見ている人々。 宮沢氏の、眼力には、改めて、敬服する。お公家さんだと ばかり思っていた浅薄さを、お許しください、の心境で  す。 明治維新を成し遂げたのは、中流実務官僚ではなかっ た のではないですか。(ちなみに社保庁は、下流無気力  《ヒラメ》官僚の組織ですから、中流ではありません)(2007/07/09)

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三品 和広 神戸大学教授