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参院選に何を問うか(後編)

もう先送りはできないニッポン再構築

  • 水野 博泰

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2007年7月13日(金)

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“壊す”改革に邁進した小泉政権。それを引き継いだ安倍政権には“作り直す”という難しい作業が求められる。新しいニッポンをどのように再構築するのか──。明確な答えを政治は一刻も早く国民に示す必要があると、言論NPOの工藤泰志代表は訴える。

■参照記事: 「参院選に何を問うか(前編) 小泉改革から乖離する安倍政権の本質
■参考サイト: 言論NPOのホームページ

前編から続く)

言論NPOの工藤泰志代表

NBO そもそも政権の出自のところからねじれていた。そこが安倍さんの不幸ですね。

工藤 安倍さんの弱みは、経済政策に関して彼自身に強烈なアイデアがないために小泉改革路線を継承せざるを得ないことです。けれども、理念の部分では継承していないから話がややこしい。

 例えば格差問題について、小泉さんの周辺は初め「抵抗勢力の議論だ」と斬って捨てていました。同じ構造改革の文脈でも、安倍さんがやっていることをよく見ると全く違います。「弱者救済」にすごく力を入れている。

 安倍さんは最低賃金の引き上げをやろうとし、中途半端になったけど、身体障害者とかパートタイマーとか派遣とか、社会的に弱い立場の人たちに手を差し伸べている。安倍改革は弱者切り捨てだなんて言うのは、何も見ないで批判だけしている人ですよ。

安倍さんの理念が弱者救済に向かわせた

 すごいなと思ったのは、今まで雇用市場の枠外にいた人たちを引き入れようとしたことです。小泉政権では失業率が指標でしたが、安倍政権では就業率を高めることを目標に変えた。主婦や高年齢者を教育などによって成長戦略に巻き込んで“底上げ”を狙った。

 しかし、労働市場の改革はもっと徹底的にやるべきだったのに“労働ビッグバン”は骨抜きになってしまいました。底上げには力を入れたけれども、成長基盤を構築する努力を怠ったと批判されても仕方ないでしょう。

 しかも、成長率など希望的な数値目標を出したものだから、そのように経済が動くかのような錯覚、言葉のレトリックを撒き散らしてしまった。そもそも、成長を生み出すのは民間経済の結果なのであって、政府が数字をいじっても何も起こらない。民間がもっと動きやすいような成長基盤をきちっと整えることが本筋です。

 さらに、グローバルで戦う大企業はともかく、国内でへばっている中小企業への対策を戦略的に打ち出せていない。だから、2極化が進み、裾野が広がらないから景気拡大の実感がわいてこない。ここでも安倍さんは強力なリーダーシップを発揮したとは言えない。

 最大の要因は、経済財政諮問会議が岩盤を崩すための司令塔になっていなかったことです。安倍さんが司令塔にならなかっただけでなく、諮問会議が安倍さんを司令塔として使わなかった。太田弘子内閣府特命担当大臣はもっと首相を巻き込んで、迫力を持ってやるべきだった。戦略的な人選ミスという可能性もありますが、安倍さんの立ち位置がはっきりしないのだからスタッフを責めるのは酷かもしれない。

真っ先に取り組むべき「増税」から逃げた

NBO 「骨太の方針2007」も、官僚の文書を寄せ集めたようなものになってしまいました。

工藤 諮問会議の位置づけが変わったんです。小泉さんの時のようなぶっ壊していく参謀基盤ではなくなって、骨太の方針は各省庁が施策を持ち寄って「骨太に入れられたらいいな」というペーパーになってしまった。あれで戦うのは無理ですね。

 小泉改革を加速するシナリオを作れなかったことに加えて、本来真っ先に取り組まなければならない税の問題から逃げてしまった。企業収益が回復したことで税収が増えて、黙っていてもプライマリーバランス(基礎的収支)が黒字化する目途が立って、「なんだ、増税しなくても大丈夫じゃないか」ということになってしまった。

コメント15件コメント/レビュー

「何が本質なのか、誰が本当のことを語っているのかを見抜く有権者の眼力が問われています。」そして、この結果です。金持ちをいじめても、海外に逃げるだけ。ウマく使った方がいいですよ。(2007/08/05)

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「何が本質なのか、誰が本当のことを語っているのかを見抜く有権者の眼力が問われています。」そして、この結果です。金持ちをいじめても、海外に逃げるだけ。ウマく使った方がいいですよ。(2007/08/05)

筆者が展開するのは当然の議論である.ただし多くの人はもっと当面の切実なことで選んでしまうであろう.残念ですがやむを得ない.これが,この国の改革を遅らせている一因です.例えば,世界的にみて最も切実な問題は地球温暖化対策.それを押さえるために原発が重要視されていますが,その安全性が揺らいでいます.処分場すら決まらないトイレのないマンションのまま,どこまで続けるのか,極めて深刻な問題です.そのような数十年後を見据えた議論は全く出てこない.治療が痛いから,と逃げているうちに病状がどんどん悪化していくのを放置している.例えば環境税.これをやれば,相当な痛みはありますが,新しい市場や技術の開発,農林・自然の復活につながり,地方活性化につながる(特にふるさと納税など不要)はずなのに,単純な消費税しか思いつかないのはなぜか.政党に必要とされるのは,当面の選挙と,目先の利益ではなく,先を見据えた国を創る覚悟とやる気です.(2007/07/26)

最近の選挙なり政治なりを見るにつけ、互いに足を引っ張り引き摺り下ろすばかり(マスコミも正義感ぶっても表層しか見ず煽って引き摺り下ろす一方)、自分かその所属組織の利しか考えていないに等しい。だから与党が勝っても勢力を落とすと更に実行力減ってグダグダ、野党が取っても実務経験不足と連立等での調整不良に旧与党の妨害工作でグダグダになるだろう。要するに、あの方々はこの国やその将来について本当に良くしようという気は無い、自分が寄生して美味しい汁を吸いたいだけである。例え敵対していようと一緒に国やその将来を浴する為に協力するという度量が何処も足りない。(2007/07/16)

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