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シリーズ:日米関係は大丈夫か?(1)

未来志向の価値観論争で“政冷民熱”を乗り越えよ

  • 冷泉 彰彦

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2007年7月19日(木)

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 小泉政権の時代、日中関係は「政冷経熱」であると言われた。靖国問題を巡って首脳外交は冷えきっていても経済の関係はいたって順調、だが2国間関係としては何とも不安定、そんなニュアンスの表現だった。この言い方に倣うなら、現在の日米関係にも似たようなところがある。いわば「政冷民熱」とでも言うような乖離がここにもあると言ってよい。

日本文化は米国人のハートをつかんで離さないのに…

 民間ベースの日米関係は極めて順調だ。大リーグ(MLB)に移籍した日本人選手は、米国球界の話題の中心を占めている。松坂大輔の「魔球」は米国の都市伝説と化したし、球宴MVP(最優秀選手賞)と5年9000万ドルの契約を手にしたイチローには地元の野球ファンから心からの祝福が浴びせられている。

 寿司店を中心とした日本食ブームも依然として勢いが衰えず、トヨタ自動車のハイブリッド車への好評価はすっかり定着した。ゲーム機戦争においても、任天堂の「Wii」が圧勝している点で米国市場は日本とシンクロしているようだ。ハイテクと伝統文化の融合、そして健康や環境といった価値観を含んだ「日本文化」は米国人のハートをつかんで離さないところまで来たと言っていいだろう。

 だが、政治の面では2007年に入ってギクシャクした動きが目立つ。小泉=ブッシュの蜜月関係を継承したはずの安倍政権だが、慰安婦問題の謝罪要求決議では対処を誤って沈静化に失敗したし、北朝鮮問題への対応では「日本外し」とも受け取れるような展開になってきた。

 その一方で、米軍の再編問題や牛肉輸入の拡大では日本側は一方的な譲歩を迫られている。また日本の次期戦闘機の選定に当たっては、日本政府がF-22の情報供与を要求しているのに、米国は渋り続けるという構図が続いている。もちろん、同盟関係の基軸に変化はない。だが個別の案件で話の噛み合わないことが、これほど多いというのは危険だろう。

ヒラリー大統領の誕生で嫌米ムードが一気に高まる?

 チャネルが共和党に偏り過ぎているのも心配だ。小泉=ブッシュ関係にあぐらをかいて、議員外交も霞が関の外交も、ワシントン詣でのネットワークは共和党議員ばかりになっている。そんな中、議会の多数派は民主党になり、ヒラリー・クリントン候補が2009年以降、ホワイトハウスの主となる可能性も非常に高くなってきた。仮にヒラリーが保護貿易と人権で揺さぶりをかけてくれば、ただでさえ冷え込んでいる日米の政治交流は相当の困難に直面するかもしれない。

 日本側でも、米国を手本とした構造改革路線に対して、世論の「飽き」が顕著になってきた。グリーンメーラーによるM&A(企業の合併・買収)攻勢への嫌悪、格差社会への批判などは安倍政権になって一気に噴出した感がある。仮にヒラリー政権が女性の人権問題などで「ガイアツ」を振り回すようなことになると、嫌米ムードが意外な広がりを持つかもしれない。

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