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サントリー、首位奪取の正念場

サッポロの「エビス」が守る高級ビール市場にうまみ

2007年7月25日(水)

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 サッポロビールの「エビス」が初めて高級ビール市場でシェアトップの座を譲る――。

 2007年下期(7~12月)にも、その可能性が出てきた。首位争奪戦をしかけた主役は、「ザ・プレミアム・モルツ」で猛攻をかけるサントリーだ。

新製品の投入も抑える

 サントリーは年初、プレミアム・モルツでエビスと同数の販売目標を立てた。7月11日に発表した2007年上期(1~6月)のプレミアム・モルツの販売量は399万ケース(1ケースは大瓶20本換算)。一方、エビスは504万ケースで、約100万ケース及ばなかった。しかし、サントリーは計画を下方修正していない。このまま結果を出せば、2007年下期は逆に100万ケース差でプレミアム・モルツがシェアトップに躍り出る。

 「フォームは正しい。後はヘッドスピードを上げていけばいい」

 サントリーのビール事業部プレミアム戦略部長の鳥井信宏取締役は高級ビール市場での戦いぶりをゴルフスイングに例える。「戦略は間違っていない。思ったより伸びなかった家庭向け販売を下期は加速させることで目標を達成できる」と自信をのぞかせる。

 高級ビール市場は長らくエビスの独壇場だった。近年、高級品と通常品、低価格品を飲み分ける消費者の嗜好の変化から、にわかに人気が高まってきた。

猛追するサントリー

 サントリーは2005年、この新市場をビール事業の中核に据えプレミアム・モルツの販売を推し進める。東京と大阪に50人からなるプレミアム営業部を設置し、急激に販売量を伸ばした。その結果、2006年には550万ケースとエビスの半数まで達した。目前に迫ったビール事業の黒字化を捨ててまで販売促進にこだわった結果だ。

 そして2007年年頭、「今年は1300万ケースにチャレンジしよう」と佐治信忠サントリー社長は社員に檄を飛ばした。昨年比で2.4倍。2倍以上のシェアを持つ首位のエビスと同じ数量の目標を掲げた。あまりに高い目標に社員だけではなく、ビール業界関係者をも驚かせた。

 しかし、経営陣は本気だった。2007年上期はビール業界では新製品ラッシュが続いたが、サントリーの新製品は数量限定、季節製品や既存品のリニューアルを除けば、6月に発売した第3のビール「金麦」だけ。鳥井取締役は「新製品を持たずプレミアム・モルツだけを販売する営業現場の苦労は並大抵のものではなかったが、高級ビール市場に賭ける意気込みを示したかった」と語る。

首位でないと生き残れない

 同時にビールの主力「モルツ」からプレミアム・モルツへの移行を急ピッチで進めた。さらに下期は家庭向けのてこ入れをする。「家庭では高級ビールは週末に飲む贅沢品だが、さらに平日にも飲んでもらえる仕掛けをする」(鳥井取締役)。

 サントリーが主力ブランドのモルツを犠牲にしてまで高級ビールの首位にこだわる理由。それは首位を手にしたものだけが味わえる「うまみ」をウイスキーの「オールド」や「烏龍茶」で知っているからだ。例えば、お中元で高級ビールをとなった時、首位であれば当然選ばれる可能性は高まる。

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「サントリー、首位奪取の正念場」の著者

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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