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年金改革、国民はもっと勉強を

公開座談会「年金マニフェストを問う」の議論より

  • 水野 博泰

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2007年7月27日(金)

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NPO法人マニフェスト評価機構(理事長:松原聡・東洋大学教授)は7月21日、東京都内で公開座談会「年金マニフェストを問う」を開催した。司会は松原聡氏、パネリストは駒村康平氏(慶応義塾大学経済学部教授)、屋山太郎氏(政治評論家・年金記録問題検証委員会委員)、飯尾潤氏(政策研究大学院大学教授・マニフェスト評価機構政策評価委員)の3氏。ここでは、駒村、屋山、飯尾氏による立論の要点をお届けする。

働き方の急変によって進んだ年金空洞化

駒村康平 慶応義塾大学経済学部教授

 年金制度や年金改革案を評価するためには、3つの視点が重要だ。

駒村康平・慶応義塾大学教授

 1つ目は年金財政の「安定性」。2004年の年金改革で、ある程度見通しがついたと評価をされているが、少子高齢化が加速すると揺らいでくる。昨年末に発表された人口推計によれば少子高齢化の勢いは増している。2004年改革には当然限界がある。

 2つ目は、年金制度の「デザイン」。国民年金を1階部分、厚生年金・共済年金を2階部分とする2階建て構造でいいのか、職業別に異なる制度でいいのか、厚生年金と共済年金は統合されたが国民年金と厚生年金を一体化する必要があるのか――といった形の問題がある。

 3つ目は、年金情報の「管理」。国民と政府の間のコミュニケーションの問題だ。情報共有システムや記録管理システムが、極めてでたらめなものだった。あってはならないこと、基礎中の基礎の問題だ。

 各政党の年金政策を評価する場合には、こうした視点から見る必要がある。答えていたり答えていなかったりするし、党によって違いがある。

 基礎年金の国庫負担は2009年までに50%に引き上げられる。要するに税金で賄うということ。介護保険も50%は公費、医療保険の高齢者部分も50%が公費。高齢者向け給付はどれも5割が公費負担に統一されてきている。しかし、給付については財政的な見込みがついていない。財源として消費税の引き上げが議論になるところだ。

 2004年の年金改革では、“マクロ経済スライド”が導入された。これは現在年金をもらっている人も、これからもらう人も、全員の年金が毎年0.9%ずつ減っていく仕組みで、2023年まで続けられる。累計で15%下がる。現行で6万6000円ぐらいの基礎年金が5万6000円ぐらいになる。医療・介護保険もここから負担するなどということが可能なのか。そもそも、「生活保護」との逆転現象が起こってしまう。

 年金制度を揺るがしている直接的な引き金は、“働き方”の変化である。かつてはサラリーマンが中心だったのが、1990年代にサラリーマンでも自営業者でもないグループが急激に増えた。未納が拡大し、年金制度の空洞化が急速に進んだ。働き方の変化に制度が追いつけない状態だ。

 高齢化の加速によって年金給付水準の低下、調整は避けられない。これは先進国ならどこでも同じだ。給付額の引き下げでないならば、保険料を引き上げるか、支給開始年齢を引き上げるか、経済成長を引き上げるか、働き手を増やすか、そういった手段しか残されていない。

 年金制度をより良いものにするためには、国や社会保険庁がしっかりしなければならないのは当然だが、国民ももっと勉強すべきだ。昨年、約1300人を対象に年金に関するテストを実施した。国民の年齢分布を反映するような形に調整して回収した。すると、20代、30代、40代の人たちは年金をほとんど理解していない。50歳になって初めて一生懸命勉強を始める。そのような状況では、長期的な視点から議論を深めることが難しい。

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