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人口減ニッポン~2030年からの警告(4)

砂上の「100年安心年金」──家族の形を再考せよ

2007年8月10日(金)

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 年金記録に関する厚生労働省・社会保険庁のでたらめ行政が自民、公明の両与党を苦境に追い込んだ。一行政組織の失態が、選挙で政権党をここまで脅かした例も珍しいのではないか。厚労省と社保庁は組織を挙げて5000万件の記録漏れ問題に誠実、丁寧かつ迅速に対応する必要がある。

 しかし、記録問題は年金制度改革の本質ではない。参院での民主党の躍進で、基礎年金の財源に消費税を充てるなど同党の主張に与党側が歩み寄らざるを得ない局面が来るかもしれない。「その時」に向けた作業は、まず与党が3年前から看板に掲げてきた「100年安心年金」の検証からスタートすることになろう。

幻のような世帯モデルに基づく胡散臭さ

 与党の説明によると、「100年安心年金」は2004年に成立した年金制度改革法で確立したことになっている。少子化や高齢化が進んでも、あるいは経済成長が何らかの要因で阻害されたとしても、将来、一定の年金給付水準は守る。大ざっぱに言うと、これが100年安心の中身だ。

 その給付水準とは、現役世代の平均手取り収入の50%強を指す。「5割保証」と呼ばれるのは、この与党の公約が根拠になっている。実際は、法律には50%を割り込む事態を想定した規定もあるが、与党は前回の2004年の参院選でも5割給付を死守すると言って闘い、今回と同様に民主党に敗れた。100年安心のあやふやさに、有権者はおそらく胡散臭さを感じていたに違いない。

 胡散臭さの根源は何か。一言で言うと、5割年金を保証する前提の非現代性にある。

 厚労省の試算によると、実際に5割が保証されるのは、夫が40年間会社勤めなどで厚生年金に加入し、その妻は専業主婦しかしたことがないという古色蒼然たるタイプの世帯だ。しかも現段階で年収が600万円弱という標準世帯に限られる。この古めかしい世帯以外、つまり夫婦共働きや妻がパートなどで働いた経験がある世帯、生涯独身世帯などは、ほぼ例外なく年金の水準が5割を下回る。モデル世帯であっても、収入が標準より高くなると、やはり年金は5割を下回る例が圧倒的に多い。

 40年間、夫はサラリーマン、妻は一貫して内助の功に徹する――。今の時代、こんな“モデル夫婦”はどれほどいるのだろうか。

 高度成長期のまっただ中、1962年に大映が配給した「サラリーマンどんと節 気楽な稼業と来たもんだ」は、今年3月に亡くなった植木等氏が主演したコメディー映画だ。

 この中で、醤油問屋の一人娘が「あたしはサラリーマンの生活にあこがれちゃうな。ホワイトカラーは現代のチャンピオンよ」と喋る場面がある。醤油のにおいがする日常生活から抜け出したくて、商社の見習社員と見合いをして専業主婦に納まりたいという願いを表したセリフだ。

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